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小椋夏己の千話一話物語  作者: 小椋夏己
2023年  8月
344/1001

オニヤンマ君

※内容に一部グロテスクと思われる表現があります。苦手な方は、少し心構えをしていただくか、考えて引き換えしていただくか、この注意を見て即回れ右をお願いいたします。

 (ちまた)では今、


「オニヤンマ君」


 というものが流行っているようです。

 

 私もドラッグストアなどで見たことがあるんですが、名前そのまま、トンボのオニヤンマの形をしたなにかです。


「なんでこんなとこにトンボが……」


 と、初めて見た時にはびっくりしました。


 だって、すごくリアルなんですよ、もしもパッケージに入ってなかったら、本当にトンボがいるのかと思いそうでした。


 なんでも蚊や害虫が寄ってこないのだそうです、この子。薬やら電波やら、そういう人間の体にも良くはないかも、なものを使わずに、この子をつけてるだけで


「オニヤンマや! 天敵や! 食われる! 逃げろ!」


 と、蚊たちが寄ってこない、という話です。


 ほんまかいな!


 気にはなるんですが、私はオニヤンマも苦手です。虫全般あまり好きではない。その上さらに、ちょっとあるエピソードがあるのです。

 

 あれは小学校2年ぐらいだったと思います。当時は団地に住んでいて、うちは3階だったんですが、1階と2階の方と、まるで大家族みたいにしょっちゅう行き来してました。一緒に遊びに行ったり、ご飯を食べたり、昔のご近所さん、みたいなお付き合いをしていて、それはそれぞれの家が引っ越しても子どもたちがまだ小さい頃は続いていましたし。最近まで年賀状のやり取りもしていました。私が出入りして本を読み漁っていたのも、その2軒が多かったです。


 その1階のお宅、そこには一つ下の男の子、妹と同学年の子と、もうちょっと年の離れた男の子の兄弟のお宅でした。

 

 ある時、そこのおばさんが、


「オニヤンマがおるから、見てみ」


 と、鳥取なまり(鳥取出身のご夫婦でした)で教えてくれて、置いてある虫かごを見せてくれたんです。


 その頃はもう虫がめちゃくちゃ怖かったんですが、何しろ好奇心のかたまりです、怖いな~怖いな~と、稲川淳二のようにびびりながらオニヤンマを見てみました。


 カゴの中にいました、でっかいオニヤンマが。

 葉っぱか何かが一緒に入れられていて、そこで止まって何かを持ってました。


 それは、エサとして与えられたハエでした。


「うわ、ハエ食べとう……」


 それだけでかなりびびったんですが、よくよく見るとそのオニヤンマ、


「ひいー! ハエ食べながら死んでるー!」


 そう、半分ぐらいハエをかじったところで、口のところにくっつけたまま死んでました。


 それをおばさんに伝えたら、そこの男の子がオニヤンマが死んでることで「うわ~ん!」と泣き出しパニックに!


 それ以来オニヤンマはトラウマです……


 もっと小さい頃は、いとこのお兄さんと一緒にトンボとりとかした記憶があるので平気だったはずなんですが、いつから虫がだめになったものやら。


 今はその頃よりかなりましになってますが、やっぱり虫はまだまだ苦手ですね。その頃みたいに超怖い! とまではなくなりましたが。それには、そういうオニヤンマのエピソードみたいのがあるのかも知れません。覚えてませんが。

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