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小椋夏己の千話一話物語  作者: 小椋夏己
2023年  8月
340/1001

ぴーぴーがセミの声で聞こえません

 夏真っ盛りの今、セミも真っ盛りです。


 朝、機会式駐車場から車を出す時、周囲でみんみんしゃわしゃわとセミの大合唱。

 あ、「みんみん」はミンミンゼミですが、「しゃわしゃわ」はクマゼミだそうです。関西ではクマゼミが主流なので、やっぱり「しゃわしゃわ」も加えておかないとね。


 まあ、そういう中で車を出す操作をするのですが、


「うう、セミの声でぴーぴーが聞こえない……」


 操作盤に鍵を差し、番号を入力して「出庫」のボタンを押すんですが、前のシャッターが上がり切って、中に入っていい状態になったら、


「ぴーぴーぴーぴーぴーぴー」


 ぐらいの感じで音が鳴って教えてくれます。


 これは車をしまう時も一緒で、シャッタがー降り切ったら、


「ぴーぴーぴーぴーぴーぴー」


 とこの時も教えてくれます。

 

 多分このぐらい回数だったと思います。「いらち」の私は全部終わるまで待ちきれないので、大抵2回目の時には「ぴっ!」と鍵を回して音を止めてしまうので、最後まで聞くことはほぼありません。

 最初の時も、車に乗り込む準備をしてるので、ぴーぴーの音を意識していませんので、正確には何回鳴るのかちょっと思い出せないのです。

 

 ですが、このところはこのぴーぴーが全く聞こえないような状態です。


「セミの声が大きすぎて」


 まだ車を出すときはいいんです。シャッタがー上がったなと思ったら、さっと動けばいいので、元々音をほぼ意識してませんから。


 問題は車を入れた時です。できればぴーぴーの2回目が鳴り終わるでに鍵を抜きたい。


 なんというか、勝負なんです!

 何回もトライしましたが、1回目で切ることはほぼ不可能です。

 なのでそれはもう諦めました。


 鍵に手を添えて、シャッタがー締り、鍵を回して「ぴーぴ」ぐらいで音が消えたら私の勝ち、もしもそれ以上鳴るような時は私の負けです。


 なのに、今、セミのおかげで勝負ができません。


 勝負ができないということは、それすなわち、


「不戦敗」


 な気がして、ちょっと悔しい日々が続いています。

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