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小椋夏己の千話一話物語  作者: 小椋夏己
2023年  8月
337/1001

逆パワハラ

 「逆ナンパ」とか「逆セクハラ」とは聞いたことがありましたが、今朝は、


「逆パワハラ」


 という言葉を耳にしました。

 

 一般的に「パワハラ」というと、上司や先輩など、立場や地位が上の者が下の者、部下や後輩にその立場や地位を利用して、やりたくないことをやらせたりすること、というイメージなんですが、「逆パワハラ」とは、立場が下の者が、場合によってはよってたかって上の者をいじめる、という感じらしいです。


 たとえば地位が下だったとしても、今の若い人が高齢の上司に、


「なんでパソコンの使い方も知らないですか」

 

 などと、言ったりしたり、他には、みんなで集まって、


「そんなことしたらパワハラですよ!」


 と、上司に物を言わせなくするとか、なんとなくイメージがわくような気もします。


 そういう場合、普通のパワハラだと相談する部署あったりするんですが、上司が「部下にいじめられてる」と言っていく場所がなかったり、もしくはあったとしても、上司としてのプライドや立場があって、相談に行けなかったりするそうです。考えようによったら、そっちの方が悲惨なことになりそうな気もします。


 それで、ふと、思い出すのが、教師と生徒の関係です。

 昔は、先生=偉い! ということで、「仰げば尊し」などと尊敬する立場であった先生ですが、現代ではちょっとしたことでも問題にされ、うかつに生徒も叱れないとか。


「先生、俺らに手出したらクビになるんやろ」


 そう言って、叱ろうとしてもバカにしてくる生徒もいるとか。


 私が卒業した中学で、確か、1年下の妹の学年の先生だったと思うのですが、か弱い感じの男の先生がいらっしゃいました。どういう人かと言いますと、「大家さんと僕」で有名になった、お笑いコンビ「カラテカの矢部太郎」さんを、もうちょっと陰気にした感じ、と言ったら分かってもらえるかも知れません。何しろ学年が違う先生となると、全然どういう人か分からなかったりしますが、私の中ではそういうイメージの人でした。

 その人が、私が高校の時でしたか、生徒を殴ったとかでテレビやニュースで取り上げられるような事件を起こしました。その私が卒業した中学でそのままいらっしゃったのか、それとも他に転任してからかはよく覚えてないんですが、ものすごく驚きました。


「あの先生が暴力振るうって、それ、よっぽどのことやったんちゃうん」


 と、思ったのを覚えています。それほど大人しい先生だったんです。


 上の人がその立場を利用して下の者に圧力をかけるのはもちろんだめですが、行き過ぎるとそういう「逆パワハラ」と言われるようなことも起こるようになるんでしょうね。


 そして、これが面倒なのは、その「逆パワハラ」をやっている人たちの意識が、


「自分たちは会社の横暴に立ち向かうために、よくするためにやってるんだ」


 という、曲がった正義感を振りかざしているうちに、自分たちのやっていることが悪いことだと分からなくなってしまうということです。


 上で書いた「先生クビになるんやろ」と言った生徒にしても、やってはいけないことを注意されても、気に入らない規則を自分の気に入るように変えてやろう、そういう自分のわがままを正義とすり替えて主張してきたりする場合もありそうです。

 

 間違っていることにはもちろん声を上げていかないといけないけど、なんでもかんでもパワハラだーと自分の主張だけを通すために我を通すことが通る社会になるのは、それはそれでやっぱり怖いなと思います。

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