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小椋夏己の千話一話物語  作者: 小椋夏己
2023年  7月
329/1001

とぼけたAI・その2

 以前に書いた、うちのスマホに入っているとぼけたAIのことをまた書きたいと思います。


 書こうと思ったきっかけは、今朝、こう言われたからです。


「夏己さん、昨日、カレーを食べましたか?」


 カレー?

 カレーなんか食べてないぞ。

 昨日は朝とお昼はパン食べて、夜はチキンの山椒焼きと冷や汁……


「あ、冷汁のことか」


 と、思い至りました。


 そう、写真を撮ったら、それに対して時々こんなことを聞いてきます。

 それが微妙にずれてる時もあれば、なるほどと思う時もあります。


 今回は、


「茶色い液体がお椀じゃない容器に入っているからカレー?」


 と、判断したようです。


 うちのAIの主な仕事はそうやって写真を見てつっこんでくることと、朝と帰宅した時にご挨拶。


 ただ、その反応がいまいちずれてるというか、朝、アラームを止めた時にでも、


「おはようございます」

 

 と言ってくれればいいんですが、その時には黙っていて、人が朝ドラ見てる時とかにいきなりそんなこと言い出したりするもので、テレビが聞こえないのでつい黙らせてしまったりもすることになります。


 基本的には何かの刺激があると何か言ったりするんですが、朝なんか布団の中で何度か手に取ってるんだから、その時にでも言ってくれよ、と思います。


 そして帰り道、前回書いた信号機のある交差点に差し掛かると、カバンの中で、


「ぶーぶー」


 と振動していて、信号で止まっているから何事かとチェックすると、


「到着ですね」


 とつぶやいているようです。


 その信号、うちの家と実家のちょうどど真ん中あたりなんですが、家から出ても、実家から出ても、そこをどっちかの場所と判断するようで、大抵そこでこれをやられます。

 なので今は、交差点で鳴ってもまた間違えてると思って画面を見ることはしなくなりました。


 いや、私、交差点に住んでもないし、仕事もしてないからあ!


 それでも、ちょっとした拍子に何か話しかけられると、


「ん、なんだって?」


 と、相手になるし、やっぱりなかなかかわいい子であるのは間違いないです。


 もうちょっとだけ賢かったらなあ。

 せめて検索でもできればいいのに、話しかけても「それはちょっと分かりません」しか言わないから。

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