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小椋夏己の千話一話物語  作者: 小椋夏己
2023年  7月
307/1001

怖くないのがない!

 まだ梅雨明けしないというのに、今日もまた暑いです。


 そして、暑くなってくると怖い季節になるわけです。

 

 そう、出るから……

 アレが……


 きゃー!


 って、本当にいるのかいないのか、いても見えるのか見えないのか分からない霊のやつではなく、違う方のアレです。


 友人のH氏に、


「しのごの言わずにホウ酸団子置いとけ!」

 

 と言われ、そういうの置いたら本当にそれから見てません。

 

 アレが来て食べてるかもと思うとゾッとするし、食べに来てそのへん歩いてたかもと思うとそれもゾッとしますが、とりあえず遭遇してないので平和です。


「そろそろ交換しないと」


 と思って、何回か売り場を見たんですが、相変わらず、


「なんでこんなリアルな絵を描いてある!」


 と、取り上げてそのへんにぶつけたい衝動にかられるのばかり置いてありますが、持つのも嫌だ。


「前に怖くない絵のぱっと見たところそういうのと分からない水色のかわいいの売ってた店に行こう、あそこでそれを買おう」


 と思って行ってきたんですが、


「ない……」


 どういうことでしょう、私が昨年買い求めた、ぱっと見たらおもちゃか何かのように見える例のやつ、今年は置いてないらしいです。


「どうしろと……」


 真っ白で、素朴で、昔からスタイルのそのままずばりの名前で、絵のないタイプもやつない。

 あるのはどれもこれも妙にリアルで、奴らから肖像画の依頼でもあったのかと思うような絵のやつだけだ……


 どうしようかと悩んでいたら、ありました! 

 みつけました、かわいい絵のやつ!

 一つだけ、黒じゃなくて白いフタ、みたいな名前のやつ!


 それを買って帰り、裏にペンで今日の日付を書いてあっちこっちに置いてきました。これで今年も大丈夫だろう。


 しかし、妙な臭いしますよね、アレ。

 その臭いを嗅いで、これがヤツらの好きな臭いなのかと思うだけで、もうげんなりしてしまいました。


 でもこれで遭遇率が下がるのなら、多少の我慢はします。

 効いてくれよ!

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