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小椋夏己の千話一話物語  作者: 小椋夏己
2023年  7月
299/1001

浅草の雲丹豆

 今日の朝、起きてテレビを見てたらいつもとなーんか違う。どうしてかなと思ったら、今日は休日だったんですね! うれしい、お休みだ!


 朝ドラの後、いつもと違う番組をやっていて、その舞台が浅草でした。


 実は私は浅草が好きで、東京に行くと、時間がある時には浅草に行ってました。

 一人でも行くし、誰かと一緒にも。


 初めて行ったのは大学の時で、友人たちと一緒に旅行で行きました。


 あっちこっちうろうろしていたら、時代劇に出てくる「矢場」みたいな遊技場を発見。その時だけ出ていたのか、常設かも分かりませんが、面白がって遊んでみたら、そこの景品みたいなのが「花やしき」の割引券だったんです。


「花やしきって何?」


 日本最古の遊園地ですがその時は知らなくて、結局行ったんだったかどうだったかも忘れました。 

 花やしきには行ったことはあるんですが、その時は場所も分からなかったし、行かなかったような気がするなあ。


 その時から気にいって、東京に行くと行ってたように思います。コンサートとか、何か他の用事があって予定が合わない時は残念だなと思いながら諦めていましたが。


 神社仏閣に行ったらまずお参りです。お参りをして、それからお線香の煙を体にいっぱい浴びて、そして仲見世をゆっくりと楽しみました。

 当時はまだ「インバウンド」なんて言葉もなかったけど、それでもいつもいっぱいの人の間を、あっちこっちの店を覗きながらゆっくりと歩いて見て回っていました。


 そうそう、当時はまだお酒が飲めたので、


「神谷バー」


 で、


「電気ブラン」


 なんかも飲みました。


 何かの本で読んで、浅草に行ったら行ってみたいと思っていた場所だったので、うれしかったなあ。

 お酒が飲めなくなってからは行かなくなりましたが、あの雰囲気が好きでした。

 今も健在なんですね、神谷バー。

 東京にすっかり行かなくなってしまったけど、今度行ったらソフトドリンクでも飲みに行ってみようか。


 そして浅草というと、


雲丹豆(うにまめ)


 なのです。


「え、人形焼きじゃなく?」


 と思うでしょうが、うちでは「雲丹豆」なのです。


 浅草をぶらぶらして、豆屋さんで色々な味の豆菓子を買って帰ったら、父親がそれを、


「うんたんまめ」


 と、わざと読んで笑ったんです。


 うちの父親は関西出身ではないからか、あまりお笑いのセンスとかなかったんですが、それでもそんなしょうもない冗談は言うのが好きでしたね。


 他にも、小豆島で買ってきた孫の手(なんでそれをお土産で買った、私)に書いてある「小豆島」の文字を、


「こまめじま」


 とか言ったりね。


 そういうわけで、うちでは「雲丹豆」を「うんたんまめ」と呼ぶようになりました。


 名前をそうして遊んだだけではなく、父親が味を気に入ったので、浅草に行ったら、


「そうそう、うんたんまめ買わないと」


 と、必ず買って帰ってました。


 あの頃は結構東京に行ってたので、買って帰って、なくなるまでに次にまた行って、なんてこともあったなあ。

 他でも似たような豆菓子を売っているので、そういうを買ったりもしてたんですが、父親は浅草で買ってくる「うんたんまめ」がおいしいと言ってました。


「そのうち東京に行ったらまた買ってくるよ」


 と言ったまま、全然東京に行くことがなくなったので、そのままになってしまいました。


 もしも東京に、浅草に行くことがあったら、絶対に買って帰ろうと思います。

 今もきっとあるでしょう、豆屋さん。

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