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小椋夏己の千話一話物語  作者: 小椋夏己
2023年  7月
289/1001

梅雨明けと座敷わらし

 今日、テレビで、


「梅雨明けをする時にあるというのはどちらでしょう」


 というクイズをやっていました。


 二択で「雷」と「海鳴り」だったんですが、言うまでもなく「雷」です。


 そして「雷が鳴ると梅雨明け」ということを聞くと、思い出す作品があります。


「ユタとふしぎな仲間たち」


 三浦哲郎さん作の児童文学の名作です。

  

 東京からいなかに転校した勇太こと「ユタ」はなかなか田舎に馴染めませんでした。

 そんな勇太が「座敷わらし」の伝説を聞き、それに会えるという部屋に独りで泊まることになります。


 その夜、勇太は不思議な言葉を耳にします。


「ワダワダアゲロジャガガイ」


 なんだろうと思ったら、部屋のあちこちからおむつをした子供のような大人のような、不思議な人達が現れます。それが座敷わらしたちでした。


 その座敷わらしたちは昔の飢饉の時に「まびき」にあって命を失った子供たちの霊でした。


 さっきの呪文のような言葉は、


「僕だよ僕だよ、開けてよ、お母さん」


 その地の方言でそう言っているのです。


 勇太は座敷わらし達と仲良くなり、自分を鍛えて強い子供になっていきます。

  

 そんな中、座敷わらし達が勇太に会えないと言い出します


「梅雨になるとおむつが乾かないから外に出られない」


 なんとも笑える理由ですが、深刻な理由でもあります。

 そして梅雨が明けたらまた会えると言うのです。

 

 梅雨はいつ明けるのかと聞く勇太に、座敷わらしは、


「大きな雷が村外れの木に落ちたら」

  

 と、教えてくれました。

 

 雷が落ちた日に梅雨が明け、座敷わらしたちはたくさんの洗濯をしたおむつを持って、その大木に干しに行きます。


 子供の頃に読んで、そのシーンで、


「雷が鳴ったら梅雨明けするのか」


 と、覚えました。


 今、外が真っ暗で雨がいきなり降ったりやんだりしています。

 そして雷がゴロゴロゴロゴロ鳴っています。


 夏が来るのかなあ。

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