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小椋夏己の千話一話物語  作者: 小椋夏己
2023年  7月
285/1001

明治の100円

 今朝の朝ドラの中で、


「これを買うには1000円はいるな」


 という会話が出てきました。


 時代は明治、もちろん今の1000円とは違います。


「今だったらどのぐらいの価値があるんだろう」


 ドラマのその金額が気になっただけではなく、他にも理由があってちょっと調べたくなりました。


 私の母方のご先祖は今の広島、江戸時代の浅野藩の武家でした。それが、明治維新で落ちぶれて、


「家屋敷、家系図、刀剣をまとめて100円で売り、それを持って神戸に出てきた」


 と、聞いていたからです。


 当時、家の後継ぎであった長男が早世し、曽祖父にとっては多分それもきっかけになったのではないかと思いますが、とにかく次男であった祖父を連れて曾祖母と3人で神戸に出てきたんだそうです。

 

 それでその時の100円ってどのぐらいなのかなと思っていて、もしかしたら調べたこともあるのかも知れませんが、今はすっかり忘れていたもので、ついでに調べようと思いました。


 調べてみたところ、明治の真ん中あたり、30年ぐらいの物価は、今の、


「3800倍」


 ぐらいとありました。


 ってことは、100円だと、


「38万円?」


 え、家屋敷まとめてそんなちょっとしかなかったの? それ、足元見られたんじゃない? と、少しばかりびっくりしましたが、まだ先がありました。


 物価だけで見るとそういうことになるんですが、給与から計算すると、


「1円は2万円ぐらい」


 じゃないかとのことなので、それでいくと、


「100円は200万円」


 になります。


 うーん、落ちぶれて家屋敷売って手にする金額にしたら、そんなもんで妥当なのか?

 もしかしたら借金とかもあって、それと精算したらそんなもん?

 もしもその10倍、2000万円もあったら、もうちょっと違うことになっていたようにも思いますから、大体そんなものなのかな?


 とにかく、どうして神戸に来ようと思ったかは分かりませんが、曽祖父がその道を選んだことから、今の私にもつながっているのだと思うと、その100円はなんだかすごく重要アイテムに思えました。


 ドラマの中では、石版印刷機を買うのに1000円、つまり2000万円! 今のコピー機を考えると、それはもう「身の丈にあっていない」買い物ではあるのですが、主人公がこれから植物図鑑を出版するのにどうしても必要な道具ではあります。モデルとなった元の方が、本当にそれを買ったかどうかまでは分かりません。それにしても、すごい買い物ですよね。


 その基準、1円=2万円で計算すると、当時のアンパンは200円、うどんやそばは400円、カレーライスが1000円以上らしいので、今の値段とそこまでかけ離れたものではないように思います。


 もしも私が、


「200万円やるから新天地でやり直せ」


 と言われても、そんなことできるかなあ、と考えてしまいました。


 家族3人、知人を頼ったのかも分かりませんが、200万円で新生活を始めようと思っても、あっという間に使ってしまいそう。


 なんか、うちのご先祖、すごいチャレンジャーな気がしてきました。

 よくがんばりました、ありがとう!

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