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小椋夏己の千話一話物語  作者: 小椋夏己
2023年  7月
284/1001

ジェットコースター

 前回のお化け屋敷話から、怖いつながりでジェットコースターのお話を。


 みなさんはジェットコースターはお好きでしょうか?


 私は、怖いけど以前は乗ってました。

 ですが、今はほとんど乗らなくなっています。

 なぜなら、また違う「怖い」になってしまったからです。


 ネズミの国のなんとかマウンテンとか、スペースなんとかも乗ったことがありますし、関西のあちらこちらにあった遊園地のジェットコースターも色々と乗ったことがあります。高いところは苦手でしたが、きゃあきゃあ言いながら、それでも結構楽しかった記憶があります。


 ある年の夏、母親がクモ膜下出血で突然倒れました。死の淵をさまよい、手術の結果、本当に先生が驚くぐらい、全く後遺症もないぐらいに完全回復をしたんですが、秋になって退院するまでの間、本当に心配でした。怖かったです。その入院の時です、前に書いたメロンをたくさんいただいたのは。


 母が無事に退院して帰ってきた後、ある話を聞きました。

 伯母が通っていた美容院の先生が、母と同じ病気で亡くなったと。


 たまたまなんですが、どうしてだったか理由は覚えていませんが、その少し前に、何かで私はその先生と話をしていたんです。もちろん、自分はお世話になったこともないし、伯母と一緒にいた時に偶然会ったか何かだったかも知れません。その先生が亡くなったきっかけがジェットコースターでした。


 その方は夏休みでお孫さんを連れて遊園地に行き、一緒にジェットコースターに乗られたんだそうです。そして降りてきて気分が悪いと言って倒れて、そのまま亡くなったとか。ジェットコースターで血圧が上下したことが原因で出血したのではないか、との話でした。


 もしも他の時に聞いていたら、そういうこともあるのか、と思って終わりだったかも知れませんが、ちょうど母がそんな状態を乗り切った後だったもので、それからジェットコースターは違う意味で怖くなりました。


 ジェットコースターは面白いけど体に負担をかける乗り物です。その恐怖感から血圧が上がって、脳や心臓に何かダメージを与えて、その結果命を失うようなことになったらどうしよう。そういう怖いから乗れなくなりました。トラウマってやつですね。

 

 決してジェットコースターがそういう意味で危険だと言ってるわけではありません。その美容院の先生、もしもジェットコースターに乗っていなかったとしても、何かのきっかけで脳の動脈瘤が破れてやはり同じ結果になっていたかも知れません。そしてうちの母親もジェットコースターには乗っていません。


 ですが、あまりにもタイミングがよくて、それからほぼ乗らなくなりました。

 楽しそうだなとは思うんですが、思いきれずに今日まで、という感じです。

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