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小椋夏己の千話一話物語  作者: 小椋夏己
2023年  7月
281/1001

メロンのかほり

挿絵(By みてみん)


 土曜日に親戚が送ってくれたメロンを実家の台所に置いて帰りました。


 このぐらいになったら食べてくださいという写真を見て、かなりそれに近づいているなとは思っていたんですが、今朝来て、玄関を開けたらその途端にメロンの匂いが!


「やばい、これ、熟れすぎてない?」


 そう思うぐらいメロンのかほりかほりかほり!


 それからもう一つ気になったのが、


「これだけ匂いがしたら虫とかなんか動物とか入ってきてない?」


 ということでした。


 恐る恐る玄関から上がってみて、台所のテーブルの上を見ましたが、何もいません、いるのはメロンだけ、よかった!


 持ってきた荷物等を片付け、さっそくメロンの様子を見ます。


「うむ、写真通りの色してる」


 昨日一日置いただけなのに、見事に完熟カラーです。


 ビニールに入れて冷蔵庫へ。

 おやつの時間にお仏壇にお供えしましょう。


 そして待ちに待ったおやつの時間です。

 大きなメロンだったので、半分に切ってそれはまたラップをして冷蔵庫へ。

 残りをまた半分にして半分にして、八分の一をいただきます。

 

 種を取り、皮にそって包丁を入れ、縦にいくつかの切れ目を入れ、スプーンを添えます。


 実は、うちの母親はメロンが嫌いでした。なのでお仏壇の母には、嫌いだろうけど我慢してもらい、メロンが好きな父と、おそらく伯父もメロンが好きだったろうと思うのでどうぞとお供えしておきます。


 そのメロンが嫌いな母が初めて入院した時、お見舞いでたくさんメロンをいただいたんですが、元々好きではなかったので、あまりのメロンの数にちょっとだけ笑いました。

 それにたとえ好きだったとしても、その時は命がかかった状態で、とても食べられる状態ではありませんでした。

 しかも家族も交代でつきっきりになっていたので、いただいたメロンがなかなか減らない。

 順番にいただいていってもなかなか減らず、後の方で完熟の完熟になったのを切って、病院にいる私に妹が持ってきてくれたことがあったんですが、それがもう、めちゃくちゃおいしかったんです。


「あれはおいしかったよねえ」


 と、母が退院してからも、父と妹と何回もそう話していましたっけ。


 そんな伝説のメロンのような完熟状態、お仏壇から下げていただきます。


 思った通りおいしかった!

 やはりメロンは完熟に限る!


 今夜も食べるし、多分明日も食べます。

 さすがに一日で食べたらもったいないない。

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