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小椋夏己の千話一話物語  作者: 小椋夏己
2021年  8月
27/1001

「ふん」と「ぷん」

 テレビのニュースで地震があったことを伝えていた時なんですが、


「○○時4『ふん』地震がありました」


 そう言っていました。


 最近ではないです。

 ふと、気がつけばそうなっていました。


 テレビで時間を伝える時に、いつの間にか今回のように、今までは「ぷん」だった部分が「ふん」になっているんです。


 これまではこうだったと思います。




 1ぷん、2ふん、3ぷん、4ぷん、5ふん、6ぷん、7ふん、8ぷん、9ふん、10ぷん

 

 11ぷん、12ふん、


 20ぷん、30ぷん、40ぷん、50ぷん




 友人とその話になり、ある有名な外国語大学の「文法モジュール」というのを教えてもらったんですが、それが上記のようになっていました。


 いつからかテレビのニュース、おそらく一番正しい共通語の発音を教えられ、それで原稿を読んでいるだろうアナウンサーの発音が「4ふん」になっているんです。


 日本語の「音便」で言いやすい形で「4ぷん」だったものを、どうしてわざわざ言いにくい「4ふん」と読むのだろうか、とずっと気にはなっていました。

 それで今回ちょっと調べてみたら、どうも2005年から、アナウンサーの読み方を「4ふん」にしていたようです。


 どうして?


 以前「simulation」というタイトルで、日本人の口で言いやすいから「シミュレーション」を「シュミレーション」と読む人が多いのだろう、と書きました。

 そうなんです、言葉って生きているから、言いやすい形に変わっていくんです。


 よく例として上げられるのが「秋葉原」です。

 元々は「あきばはら」だった地名が言いやすいからと「あきはばら」になり、それが定着したらしい。

 同じく「新しい」も「あらたしい」から「あたらしい」になったというのも有名な話です。


 地域的にそうなるって言葉もあります。

 たとえば有名なのは、和歌山のある地域では「ざ」が「だ」になるというのです。

「ぎんざ」が「ぎんだ」になるらしいです。テレビでも取り上げていて、和歌山のあるお母さんが人気者になっていました。


 私の知っていたある方は、職場でかき氷の注文を取ってそれのメモが「みどれ」になっていると指摘された、と話していました。もちろん本来は「みぞれ」です。


 そんな風に土地で多少の違いがあるのは分かりますが、全国的なニュースで「4ふん」は私はなんとなく気持ちよくはありません。

 それに学校でも「4ふん」で教えているらしいとも聞きました。

 

 もしも、普通に育っていたら「4ぷん」と言ってる子どもが、学校で教えられ、テレビでも刷り込まれて「4ふん」と読むようになるとしたら、なんだかちょっと怖いなと思います。


 どうしてなのか、今でも不思議で仕方ありません。

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