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小椋夏己の千話一話物語  作者: 小椋夏己
2023年  7月
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おにぎりふんわり?

 少し前からテレビなんかで紹介されるのを結構見るようになり、今朝もやっぱり同じように行列ができるとして取り上げられている、同じ食べ物を扱っているお店の話を見ていました。


「おにぎり」


 そのお店、なんでも長い時には2時間も並ぶのだとか!


 おにぎり食べるのに2時間、どんなおにぎりなんだ、と見ていたら、2、3回ふんわりと握ったおにぎり、それに44種類の具を乗っけてあり、無料提供されているお出汁をかけてお茶漬けにもできる、というものでした。


 おいしそうではありましたが、私はこの、


「ふんわりおにぎり」

 

 というのに、それほど魅力を感じないんです。


「おにぎりって握ってなんぼじゃないの?」


 そんな気持ちがあるもので。


 うちの母親はきれいにおにぎりを握る人でした。

 あつあつのご飯を、手を真っ赤にしながら、ほいほいっと素早く、同じ大きさ、同じ形に握るんですよ。

 それはもう、ほれぼれするほどでした。


 晩年、腱鞘炎をやってからは、


「前みたいにきれいに握れなくなった」


 と、嘆いていましたが、それでも私が握るのの何倍もきれいで、そして早かったです。


 その固さは「ほどほど」だったと思います。持っても崩れないし、かといってぎっちぎちでもない。食べると「噛んでる」って食感はあって、でもご飯粒も潰れてない。


 こうして書いてみると、うちの母親って本当におにぎりの名手だったんだなあ、と思います。


 私も時々作りますが、今でもあんなにきれいに作れません。父親に時々おにぎりを置いておくことがあったんですが、作ったのは大きさ不揃い、形も不揃い。もちろん固さだって不揃いです。よく我慢して食べてくれてたな。


 なので、


「おにぎりは2、3回ふわっと形を整えるだけ」


 なのを、のりで巻いてあるってのは、私の感覚からするとおにぎりっぽくないんです。


 多分おいしいとは思うんですが、


「私の思うおにぎりとはちゃう!」


 っていう感じですか。


 また違う話ですが、山仕事か何かの旦那さんが、奥さんが作ってくれるお弁当に、


「おにぎりは固く握って」


 と、言っていたという、出典は全く覚えてないんですが、一般の方の投稿に、


「どっちかというと、そっちがおにぎりだよなあ」


 とも思ったことがあります。


 昔のお弁当、きっちり握ったおにぎりを竹の皮で包んでお漬物がついている、そういうイメージもあるからだと思います。


 そういうのは、やっぱりふわっとではだめですよね。山に持って行って、仕事の合間にさて食べようと思ったら、きっと形が崩れてなんだか分からなくなっているでしょう。


 今はなんでも柔らかいのがいい、という感じになってますので、それできっとおにぎりも「ふわっと」がうけているのかも知れません。


 それでもやっぱり、私にはおにぎりは、そこそこ固い、そこそここぶりで俵型、時々三角が懐かしい母のおにぎりです。

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