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小椋夏己の千話一話物語  作者: 小椋夏己
2021年  8月
26/1001

100万本の薔薇はなかった?

 前回、「100万本の薔薇っていくらぐらいするのだろう?」ということが、ふと、気になりました。


 それを書くにあたって、一応覚えていた歌詞と違うといけないなと歌詞検索してみたんですが、その時に、えらいことに気がついてしまったのです。


 この歌、どの国の歌だと思いますか? 私はなんとなくフランスだと思っていました。

 だって、貧しい絵描きさんが女優にそんなプレゼントをするなんて、なんとなくフランスっぽい。それで勝手に原曲はフランスの歌だと思いこんでました。


 ところが違いました。


 なんと、ラトビアの歌だったんです!


 いや、びっくりした。


 有名になったのはロシア語の歌詞がついたもので、その内容が、実在した画家が実在した女優に恋をして、彼女の泊まるホテルの窓から見える広場いっぱいに薔薇の花を敷き詰めてプレゼントした、という逸話から作られた歌なのだという話です。

 その歌詞が元になり、日本でもあのような歌詞がついたようです。


 ですが、原曲は全く違いました。

 大国に翻弄されてきたラトビアのことを歌った歌詞が元の歌詞だそうです。

 タイトルも「マーラが与えた人生」というものだとか。


 内容は、泣いている娘に母親が「マーラは娘に生を与えたが幸せを与え忘れた」そう言うのです。

 時が経ち、母が亡くなった後も娘は同じことをつぶやき、さらに時が経ち、今度は娘の娘が同じことをつぶやいているという。


 うーん、なんというか、切ないですよね、そういう歌詞らしいです。


 「大国に翻弄された」ということですから、この「マーラ」という女性を思わせる人物、これがその大国なんでしょう。

 大国の庇護の元で国は成り立っているが、決して幸せではない、そう言いたいのかも知れません。


 そんな歌詞を、どうして実際にあった画家と女優のロマンスになぞらえた歌詞にしたのか、そのあたりはよく分かりません。

 美しい音楽にそんなイメージが湧き、思わず書いてしまったのか、それとも、この音楽を知ってもらうことで原曲に含まれた意味まで知ってもらいたかったのか、そこまでは分かりません。


 私が思っていたように、なんとなくフランスっぽいエピソードと思った部分は間違えていたわけですが、どうやら薔薇を送られた方の女優さんがフランスの方らしく、画家の方はグルジアの方だという話でした。

 

 そしてさらに調べてみると、このエピソード自体が創作だとか、そんな女優さんはいなかったとか、いたけど薔薇が好きじゃなかったとか、もう何がなんだか分からない状態に。

 

 確かなのは、モデルになった実在の画家が死後、国民的画家として愛されている、それだけだというのもまた物悲しく感じました。

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