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小椋夏己の千話一話物語  作者: 小椋夏己
2023年  6月
252/1001

こわれ

 フードロス対策のために、大手メーカーが製造過程で出た、


「こわれ」


 のクッキーを、


「訳あり品」


 として販売を始めるそうです。

 

 いいことだと思います。


 こういう食品を作っていたら、「こわれ」が出るのは当然のこと、これまでもそういうちょっと問題あり、の食品や作物を売っていることはよくありました。うちの近くの産直スーパーでも、地元の農家さんが曲がったキュウリ、皮に傷がついたナス、ヘタのところがはじけたようになったトマトなどを大入りで安く売っています。


 実は、前回作った「夏野菜のマリネ」もそんなトマトを買ったから作りました。真っ赤な大きなトマト、それも1つ1つが普通に売っているのよりも大きなのが15個入って千円ぐらいでした。買ってきて、1つずつラップに包み直し、毎日ちょっとずつ食べています。料理にも使っています。

 大きくておいしいトマト、普通よりでっかいサイズで、一般的なトマトが1つ100円以上するのがその数でその値段。これからの季節、こういうのがたくさん売られるようになってうれしいものです。


 そして「こわれ」と聞くと思い出す話があります。


 妹の大学時代の友人のお母様の話です。私はお母様は直接存じ上げないのですが、その友人はちょこちょこうちにも遊びに来ていて、


「この子のお母さんならそういうこと言ったりやったりしそう」


 と、思わず笑ってしまうような、そんな純朴なかわいらしいお嬢さんでした。


 そのお母様が、ある時婦人会とか自治会とか、そういう集まりで、兵庫県では有名なおせんべい屋さんの本店かな? レストランや色々な施設のある素敵な場所で、私も行ったことがあるんですが、そちらに行ったのだそうです。


 そこの販売店ではやはり「こわれ」を売っていました。

 普通で買う時には贈答品とかにすることも多く、自分で食べるのはそうやってもらった時か、もしくはどなたかに贈答品を買う時についでに、という感じで購入する商品で、おいしいのですが、そのへんで軽く売っている商品ではないです。以前は三宮にも支店があったはずですが、今もあるのかな? まあ、そういうお店でその「こわれ」を売っていたわけです。


 そのお母様とそのご友人方、おそらく皆さん同じようなタイプの方だったんでしょうね、そういう奥様達が、


「こわれは得やね、たくさん買って帰ろう」


 とばかり、たくさん買い物かごに入れていったもので、あっという間に「こわれ」の袋がなくなってしまったんだそうです。

 

 そして、もっと「こわれ」がほしいなと思った奥様達、


「ねえねえ、もっとこわれないの? あったら出してほしいな」


 と、店員さんに談判したんですが、


「そんなに壊れたのばっかり出ません、数に限りがあります。壊れてないのを買ってください」


 と、言われてしまったとか。


 その話を聞いて、


「◯◯ちゃんのお母さんらしい」

   

 と、それまで伺っていた言動から、思わずプッと吹き出してしまいました。


 なので、今回の「こわれ」も数量限定だと思います。その商品のファンで、たまたま「こわれ」を見つけた方、見つけた時が買いどきですよ~

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