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小椋夏己の千話一話物語  作者: 小椋夏己
2023年  6月
247/1001

ヤドリギ

 今朝のドラマにどうやらヤドリギと思しきエピソードが出てきました。私はそのシーンを見ていてヤドリギとは全く思わなかったんですが、その後でSNSでヤドリギがトレンドに入っていたので、どうやらそのようです。


 ドラマではヤドリギに寄生された皆に馴染みのある桜の大樹を、他の木にも病気が移ってはいけないからと、花が終わったら切るという話になっているのを、主人公が今、なんとか助けようとしているところです。


 私の中ではヤドリギって、やっぱり寄生する植物、それから北欧神話にあるんですが、大切な神様を殺してしまう存在なので、あまりいいイメージがありませんでした。


 ですが、他の方から話を聞くと、なかなかそうではないようです。


 イギリスでは、ヤドリギの下に立っている女の子にはキスをしてもいい、という言い伝えがあり、そこでキスしたカップルは結婚するとも言われているようです。ですから、女の子は木のそばに立とうと思ったら、上にヤドリギがないか一応気にした方がよさそうですね。


 それと、日本でも「生命力のある植物」としてめでたがられ、「髪に飾るのは長寿のお祝い」になったのだそうです。大伴家持の歌に出てくる「ほよ」というのがヤドリギだそうで、なんともほわっとしたイメージです。


「ヤドリギってどんな木なんだろう」


 見たことがないので気になって調べてたんですが、木の上にマリモのようにそれこそ「ほよ」とか「ほわ」とかした感じでくっついてるのがそうらしい。確かに見た目はかわいらしい気がします。そしてそこに色んな色をした丸い実をつけるようです。

 写真を見たらそりゃかわいい。いや、こりゃめでたいとか愛がどうとか言われるわ、な木なんですね。


 前述した私が知っていたヤドリギの出てくる神話では、神々がバルデルという神様を非常に愛し、この世界の何者もバルデルを傷つけないようにと、色んな物に約束させるのですが、他の木にくっついてたヤドリギだけはまだ幼くて、約束をさせられなかったのです。


 そして、この先がなんともアホっぽいのですが、皆が約束をしたから何をしてもバルデルを傷つけられないということで、神々は色んな物をバルデルにぶつけて遊びます。約束があるので何をされてもバルデルは平気、ケガもしません。なんちゅう遊びをするねんと思いますが、その時、バルデルをあまりよく思わないロキが、バルデルの兄弟で目が見えなくて自分は物がぶつけられないと嘆いているヘズに「これをぶつければいいよ」とヤドリギを渡して投げさせたところ、それが刺さってバルドルは死んでしまうのです。


 なんとも言えないエピソードだと思います。そんだけ愛してるのなら、物なんかぶつけるなよと思いました。

  

 そういうわけで、私の中ではヤドリギってあまりいいイメージがなかったんですが、見てみたらなんともかわいらしい木で、宿主から養分を吸い取って時には枯らしてしまうという、凶悪な一面と合わせ、おじさまに甘えてお金を吸い上げる若いお嬢さん、みたいなイメージに変わりました。


 え? あんまりイメージ変わってないんじゃないか、って?

 そんなことありませんよ~今ではかわいいと思ってます、はい。

 まあ、北欧の神々はアホちゃうか、ってのと、若い子に全財産まきあげられるおじさまのイメージが重なってはいますけどね。

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