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小椋夏己の千話一話物語  作者: 小椋夏己
2021年  8月
23/1001

夏のにおい

 今日の夕方、5時半頃のことです。

 

 外を見て、ふと、気がつきました。


「あ、雨が降ってる」


 外がちょっと暗くなり、天気予報でも降るかもとは言ってたんですが、その降り方がいかにも「夕立」という降り方だったのが少しうれしかったです。


 最近はあまりないですよね、「夕立」。

 私が子供の頃は結構あったと思うんですが、少しだけ離れた場所に引っ越したせいか、それとも気候のせいなのか、今は夏に降る雨が「夕立」ではなくなった気がします。


 よく言われるのが「ゲリラ豪雨」ですが、こっちの方が定番になったような……

 この週末も台風の影響で雨が降ると言ってます。そうなると今日みたいに晴れた後で雨が降って熱を冷ます、なんてことないんでしょうね。

 降る時は「どーん!」と降って、後は降らずにカラッカラ。最近の夏のイメージはこれだなあ。


 そんなことを考えながら外を見ていたら、「夕立」は、あっという間にやんでしまいました。

 うん、これでこそ「夕立」です。

 

 そっと外に出てみたら、懐かしいにおいが。


 夏の夕方のにおい、ほこりと雨が混ざったにおい。

 うん、これこれ。


 子供の頃、夕方に雨が降るとこのにおいがするのが好きでした。

 くん、っと鼻を動かしてにおいを嗅いでました。

 

 いつだったか、雑誌か何かのエッセイで、


「夏の夕方のほこりっぽいにおいが嫌いだった」


 と書いていた方があり、え、嫌いな人もいるのか、とびっくりしたことがあります。


 言われてみたらほこりのにおいですからね、嫌いな人がいても当然な気がします。


 じゃあ、私はどうして好きだったのかなと考えたんですが、やっぱり夏が好きだったんですよ。

 子供の頃は家にエアコンなんてなかったんですが、雨が降って、ほこりと雨の混ざるにおい、そこに夕ご飯のにおいがして、少し風が吹いて涼しくなって。そういうのが好きだったのかも知れません。


 今はずっとエアコンの部屋にいて、「夕立」もあまり降らなくなって、暑くて暑くてげんなりへばって、そんなこともすっかり忘れていたのかも。


 久しぶりに嗅いだ「夏のにおい」が本当に懐かしかった。

 

 子供の頃を思い出して、ちょっと元気に外に出てみないととは思うのですが、明日もやっぱり家の中にいる時はエアコンひんやり、そこから外へ出てげんなりを繰り返すのだろうなと思います。


 だって暑いもの!熱中症になりたくないもの!

 言ってることとやってることが違いますが、暑いんです、勘弁して下さい!

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