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小椋夏己の千話一話物語  作者: 小椋夏己
2023年  6月
214/1001

ベゴニア

 今朝のテレビで食用の花、


「エディブルフラワー」

 

 の話題が出ていました。


 その中で、ある花のことを食用になると言っていて、とても驚いたのです


「ベゴニア」


 どこでもよく見る花ですよね。硬い葉に小さな花がいくつも咲いて、植えている方も多く、植物の売り場でもごくごく普通に売っているあのベゴニアです。


「え、ベゴニアって食べられるの?」


 びっくりついでに調べてみたら、なんと、食べられるんですね!


「食用として育てれば」


 との但し書き付きでしたが、食べて大丈夫なんだそうです。食用として育てるというのは、農薬とかそういうのを使わずにって意味なのかな? よく分かりませんが、そういうことだそうで。


「シャキシャキして酸味があり、サラダなんかに適している」


 らしいです。知らなかった~


 ベゴニアが食べられると聞いて驚いた理由がもう一つあるんです。


「風と共に去りぬ」


 説明するまでもなく世界的に有名な名作です。


 その中に、ベゴニアを口にするシーンがあり、それをよく覚えていました。


 主人公スカーレットが娘を出産する時、スカーレットの長男、まだ幼いウェードは、今までこんな騒動の時はその家の誰かが亡くなっていたので、母が死んでしまうのではないかと小さな心を痛めます。

 母の乳母のマミーに聞いても、父の妹のメラニー叔母さんに聞いても「そんな馬鹿なこと」と誰もが忙しくしてまともに相手にしてくれません。

 小さなウェードは一人で座って、そこにあったベゴニアの葉っぱを噛み、その苦さもあってますます悲しくなってきます。


 このシーン、これを読んでからベゴニアを見る度に、


「ウェードが噛んでたやつだな」

 

 と思い、苦いというイメージがこびりついているからか、ベゴニアを育てたことはありませんでした。


 その後で義父のレット・バトラーがウェードの心配を晴らし、お兄ちゃんとして扱ってくれるのですが、そのウェードの悲しみがベゴニアの葉っぱの苦味という形で現実味を帯び、読んでいるこちらまで心の中が苦くなるような感じでした。


 で、これを書くのに、


「本当にベゴニアやったよね」

 

 と、ちょっと心配になったので、カオスルーム(本棚兼納戸になってしまっている部屋)に確かめにいったところ、「風と共に去りぬ」はちゃんと見つかって確認できました。間違いなくベゴニアでした。


 これまではそうして、


「苦い」


 と思って見ていたベゴニアですが、今日からは、


「酸っぱくて食べられる」


 と思って見てしまいそうです。


 一度買って植えてみようかなあ。

 どうやって育てれば食用になるかは分かりませんが、食べられそうだったら試してみたくなりました。

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