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小椋夏己の千話一話物語  作者: 小椋夏己
2023年  6月
213/1001

カエルの王さま

 前回、「蛙化現象」について書いた時、おそらくあの話だろうなと思いながら、一応「かえるの王様」というお話について調べていたところ、


「あれ、私の知ってるお話と違うー!」


 ということになりました。


 大部分は同じなんですが、最後がちと違う。

 私が覚えている全体のお話はこんな感じです。


 ある時、お姫様がまりで遊んでいたらそれが池にはまって取れなくなります。

 困ったなあと思っていたら池からカエルが現れて「僕と結婚してくれるなら取ってあげるよ」と言ってくる。

 まりを取ってもらいたいお姫様は結婚すると約束しますが、まりを受け取るととっととトンズラします。

 ところが、お姫様がお城に戻ってみると、置き去りにしたはずのカエルがいて、約束守ってねと言ってくる。

 お姫様は王様に「約束は守らんとあかん!」と言われ、しぶしぶ一緒にご飯食べたりしますが、カエルが嫌で嫌で仕方ない。

 そうして夜になって、同じベッドで寝かせろというカエルにお姫様はぶち切れて、この野郎! とばかりにカエルをつかんで壁にぶつけます。


 べしょっ!


 あ、カエルつぶれたかな、と思ったら、なんとそこにはかっこいい王子様が!


「僕は魔法をかけられた王子様だったんだよ、ぶつけてくれてありがとう」

 

 だったかなんだか、とにかくぶつけてもらって魔法が解けて、それまでカエルいやいや言ってたお姫様が、


「なんて素敵な王子様、結婚するわ!」


 と、2人は結婚していつまでも幸せに暮らしましたとさ、どんどはれ。


 な、お話でした。


 子どもの頃、親戚にもらったお古の本で読んだのでうろ覚えですが、こういう話でした。ところが、今回調べたお話のエンディングはちょっと違ったのです。


 お姫様に冷たくされたカエルは、


「僕のこと嫌いみたいだね、しかたがない、キスしてくれたら森にカエル、じゃなくて帰るよ」


 と言うので、お姫様がいやいやキスしたらあら不思議、カエルはかっこいい王子様に戻って、以下ハッピーエンド。


 え、壁に投げつけられるんじゃなかった? そう思って調べたら、やっぱり元のお話は壁にぶつけるで合っていました。昔のおとぎ話が残酷だって色々エンディングが変えられているのは知ってますが、このお話もそうだったとはなあ。


 ただ面白いのは、このお話はその部分を変えたとしても、やっぱりお姫様はわがままでやなやつで、嘘ついても平気だし、親に怒られていやいや約束を守っているのに幸せになったという理不尽な部分が変わらないというところです。いいお話だなあとは、どこから読んでも思えないのです。


 そもそも、どれだけ高価なこの世に一つしかないまりか知りませんが、それを取ってもらうだけで結婚の約束するなんて、最初から約束守る気もないし、トンズラしたらそれでおっけーみたいなその考え方もどうよと思います。 

 さらに、ぶつけたかキスしたか知りませんが、元の姿に戻った途端に態度を変えてくる部分もいただけない。つーか、自分がやったことを覚えてたら恥ずかしがるぐらいせんのか? もしも日本の平安時代だったら、それだけで恥ずかしくて死んじゃうレベルです。


 元のお話も不可解なら、そこから名前を取られた蛙化現象も不可解だなあと思いました。


 ケロケ~ロ!

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