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小椋夏己の千話一話物語  作者: 小椋夏己
2021年  8月
21/1001

ぶいぶい

 前回の「みんみん」を書いていた時に、ふと、思い出したことが2つあります。

 なので今回と次回はそのことを書きたいと思います。


 まず最初は、みんみんの方たちと同じように、ふと、気づけば足元で上を向いてるやつらのことです。


 みんみんさんたちより少し早い、5月から6月ぐらいかなあ、玄関から出て、ふと、足元を見るといることがあるんですよ。


「また……」


 玄関のドアの前に、廊下の端っこに水はけのために細い、5センチぐらいかなあ、浅い溝があります。そこに緑色っぽいやつらが、上向いてひたすらぶぶぶぶぶぶぶぶ、と暴れてる。


 「やつら」とは、「ぶいぶい」「ぶいこ」「かなぶん」とか色々呼び方があるみたいですし、「こがねむし」とも区別がつかないんですが、まあそういうやつらです。


 みんみんさんたちと違い、こちらは上向いて暴れてるので元気だと分かる分だけ怖くない。下手に起こすと飛んできてびびらされるのは一緒ですが、小さいのでダメージも少ないです。


 なんででしょうね、家を出ると目の前の溝で上を向いて必死もがいて、その場でくるくる回ってます。本当によく見かける。


「しょうがないなあ」


 そうして、足を出してころっと蹴っ飛ばしてやるんですが、ちょっと呆然とした後、溝を上がろうとしたりしてまたひっくり返る。


「あんたは何してるの」


 そう言ってまたひっくり返してもまたひっくり返る。

 本当にどんくさいやつらなのです。


 それで、その場で起こしても無駄なもんで、手では持てないから靴の先とかにとまらせて、廊下の真ん中の方とかに置いてやるんですが、そこから飛び立ってまた廊下の端のアクリル板みたいのにぶつかっては溝に落ち、同じことを繰り返しやがるのです。

 ほんとにほんとにどんくさい。


 この間なんか、あまりに繰り返すもので、家から傘を持ってきてそこにとまらせて、ちょっと歩いて溝がないあたりまで連れていき、そこで離したのにたくさん飛んでまた溝にはまりました。


「一体どうなってるの!」


 同じことを3回ぐらい繰り返し、やっと板のない方から空へと飛んでいきましたが、本当に世話の焼けるやつらです。

 

 全部を私が救出できてるわけでなく、上向いて動かなくなってるのもいるのですが、気づけばいなくなってるので、お掃除の方が片付けてくれてるのか、それともなんとか逃げてるのか。まったく謎なやつらです。


 しかし、今年はなんでかかなり少なくて、その傘で逃した1回しか見なかったなあ。暑さのせいでしょうか?

 

 めんどくさいと思いつつも、ないならないでさびしいものです。

 出来の悪い子ほどかわいいってやつ、ではないと思いますが、来年は3回ぐらいは逃してやれたらいいなと思っています。

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