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小椋夏己の千話一話物語  作者: 小椋夏己
2023年  6月
189/1001

読みがなをふろう

 戸籍法というものが改正され、来年から戸籍の漢字に読みがなの記入が必要になるらしいです。


 それぐらいしないといけないんでしょうねえ、今は漢字を見てもどう読むのか分からない名前が増えすぎました。


 特殊な読み方ではないですが、私の名前もいくつか読み方があり、その一番読まれる読み方ではないもので、今までに何度も違う読み方をされてきました。それでも特に問題ない場合は放置してきましたが、どうしてもきちんと読んでもらわないと困る場合は訂正しています。

 

 面白いのは男女どっちにも読める名前なもので、大学卒業近くになったらどこから名簿が流れたのか分かりませんが、男性用女性用どちらものリクルートスーツの宣伝が届くようになりました。

 その時以外にも「どっちか分からないからとりあえず送っておけ」みたいに両方の性別の宣伝が届くので結構笑えます。


 そういう面白いエピソードならいいのですが、中学の時、一度だけ困ったことがありました。


 ある夏休み、伯母の家に泊まっていたら夜からすごく耳が痛くなり、翌朝病院の耳鼻科に行くことになりました。診断結果は中耳炎です。泳ぎに行って耳に水が入ったせいらしく、なんかちょっと診てもらって薬をもらって帰ることになったのです。

 その病院は割りと大きな病院で、待合室にも人がいっぱい。治療してもらったおかげかかなりましになっったんですが、まだ耳が痛かったので早く帰りたいなと思って待っていました。


 人が入れ代わり立ち代わりするんですが、なかなか私の名前は呼ばれません。

 おかしいなあ、どうなってるのかなと、それでもまだ中学生だった私は大人しく待合室でまち続けていました。


 と、確実に私の後に診察してもらったおばあさんと2人になってしまい、さすがにあのおばあさんが呼ばれたらちょっと聞きに行こうと思ってたら、おばあさんが呼ばれました。

 やっぱりおかしい、聞きにいかないとと思ったら、受付の人も反応がないのがおかしいと思ったのかキョロキョロと待合室を見渡して、そしてある名前を呼びました。


 その名前、名字も名前も違う読み方をされてます。いや、分かるはずない!


 まず名字を他の字と間違えていました。例えば「田中さん」なのに「里中さん」みたいに読み間違い。まずこれで気がつくはずがない。いや、そりゃ結構少ない名字ですが、素直に読んだら読めるでしょう


 次に名前です。読み方がいくつかある名前なので、例えば「良子」と書いて「りょうこ」か「よしこ」という名前で、私が「よしこ」だとすると「りょうこ」と読まれていたような感じです。

 

 割りとよくやられるので、どちらか一つなら気がついたかも知れませんが、コラボでこられたらこりゃ気が付きませんって。


 以前行ったバイト先で古い書類のデータ化をやったことがあるのですが、その時に昔の書類はふりがながなくて、上に例に上げた「良子」「佳子」で結構みんな困ってました。結局、名字からのつながりでこっちじゃないか、って方にしてたんですが、あれ、後で困ってないのかなあ。


 こんな風にごく一般的な名前ですら読み方で困ることがあるんですから、最近の勝手に「空はアクアだからあ」「海はマリンだからま」みたいな読み方するようになったら、そりゃ困るでしょう。


 昔からあって、今までに固定した読み方も、昔の人が結構勝手につけてそれが定着したものだろうと思うので、勝手に読むなとは言えないんですが、あまりにもめちゃくちゃで、今回の改正の時に例に出た「太郎と書いてマイケル」とかはさすがに却下していっていいんじゃないかと思います。

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