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小椋夏己の千話一話物語  作者: 小椋夏己
2023年  5月
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まつりの後の高校生

 昨日、神戸まつりでパレードを見て、ヴィッセルを見て、イニエスタを見てその帰り、外でご飯を食べて帰ることにしました。何しろお昼ご飯も食べずにパレードに並んでましたからね、お腹ぺこぺこだったのです。


 何を食べようかと探して、庶民的なチェーンの、


「しゃぶしゃぶ食べ放題」


 のお店に入りました。


 時間は昼食よりは遅く、おやつの時間を過ぎていて、かといって夕食にはまだ早い時間でした。店内は結構座っていて、選んだ席に座ることができました。


 窓際の席の一つの札をくれてそこに座ったら、通路を挟んだ隣の席に、女子高生らしき4人組が座って、楽しそうに食事をしていました。


 いやはや、あの年頃の女の子ってなんというか、本当に元気ですよね。4人でキャッキャキャッキャと騒ぎながらしゃぶしゃぶを食べてました。

 しゃぶしゃぶってところが、なんか女子高生って感じではない気もしましたが、大きなスポーツバッグを持って、上下トレーニングウエアみたいなのを着ていて、バッグもウェアもお揃いだったので、おそらく部活か試合の帰りだろうなと思いました。


 そしてしばらくして、今度は私たちのテーブルの隣と、その女子高生たちの隣に男子3人女子5人のグループがやってきて座りました。


 ここがまたものすごくにぎやかで、正直、最初はちょっとこの席失敗したかなと思うぐらいでした。


 私たちの隣の席に同学年らしい男子1名と女子3名、通路をはさんだ向かい側に先輩らしい男子2名と女子2名の4人、きゃっきゃきゃっきゃと騒ぎながら食事を始めました。


 ちょこちょこ会話が聞こえてくるのがまた面白くて、時々笑うのを我慢しながら私たちも食事をしていました。


 そのお店、猫型ロボットが注文した物を持ってきてくれたり、空いたお皿を回収してくれたりするんですよね。それがまたかわいいので、何回か行ったことがあります。


 そして、うちの隣の男子が1人のテーブルにそのロボットが注文した品を持って来た時、その中で一番元気な女の子が、


「チャーンス、持って行ってもらお!」


 と、あれ、何枚ぐらいあったのかなあ、少なくとも10枚以上はある空いた肉の容器を重ねて、猫ロボットの一番下の段に全部の容器を入れようとしたんですが、


「あ、あ、あ、待って、まだ完了押さんといて!」


 と半分以上残った容器を持って叫びました。


 うちもそうなりましたが、配達の容器を取って、下に空いた容器を入れようとしたら、完了ボタンを押さなくても、結構早く行ってしまうんです、ロボット。おそらくその時もそういう感じで、あまりにたくさんのお皿を入れようといてタイムアップになったんだと思います。


 と、もう一人の女の子が、


「はっ!」


 と、ロボットの前にとうせんぼをして立ちふさがったんです。


 一部始終を見てしまった私はもうちょっとで口の中の物を吹き出してしまいそうになりました。

 

 向かい側の同行者が不思議そうにどうしたのか聞いてくれたけど、説明できない。


 そして、そうまでして止めたにも関わらず、


「これ止めてええの?」


 と、仲間の言葉に立ちふさがった女の子がひるんだ隙に、無情にもロボットは行ってしまいました。


 容器を山のように抱えたまま立ち尽くす女の子。


 もうね、おかしくておかしくて。


「また後で」


 同行者にそう説明して、店を出てからと言って食事を続けていたら、今度はもう一組の方、先輩らしき4人のところにまたロボットがやってきたら、さっき容器を抱えて置き去りにされた女の子がまた、


「チャ~ンス!」


 と、仲間が配達された容器を取っている間に、後ろから空容器をやっとロボットに入れることに成功しました。


 いや、もうね、一部始終を特等席で見てしまったもので、おかしくておかしくて。


 と、ふと、そのうちの一人の足元に置いてあった楽器の容器と、2人ほどが来ていたTシャツの背中のあった文字を読んで、


「ああ、なるほど」


 と、納得しました。


 神戸まつりのパレードにブラスバンドで出てた子だな、そう分かりました。


 それで同行者に、


「今日のパレードに出てた高校生みたい○○高校」


 そう伝えました。


 そう、背中にあったのはローマ字で書いた高校の名前でした。神戸の伝統ある私学です。


 それからしばらくしたら、たまたまですが、あの一番元気な子が、


「今日、パレードに父親がきて、〇〇~こっち~って手を振っててキモかったわ~」

 

 と言ってるのが聞こえてきて、やっぱりそうだったかと思いながら、本気でキモかったのじゃなく、照れくさそうなその言い方に、また笑いそうになりました。お父さん聞いたらショック受けちゃうぞ。


 もしかしたら、隣の運動部かなと思ってた子たちもパレードに出てた子だったかも知れません。

 みんな、晴れ舞台を終えて打ち上げでしゃぶしゃぶ食べ放題に来てたんですね、うん。


 イニエスタを見て、帰路にもそんな元気をもらうような出来事があり、おかげでかなり色んなことを補給できたような気がします。


 もっとも、あっちこっち筋肉痛で右足首痛めてて、おまけに弱かったとはいえ日差しにちょびっと焼かれて結構ヘロヘロにはなってますけどね。


 気持ちが盛り上がって、おかげで今日も一日生き延びております、はい。

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