特定外来植物・その2
前回の「特定外来植物・その1」を書いていて、ふと、思い出したことがあります。
外来植物、日本が迷惑を被っているだけではないんです、日本の植物が外の国で迷惑をかけていることもあるんです。
まず私が初めて知ったのが、
「葛」
でした。
家畜の餌や土壌流出防止にいいとアメリカに輸入されたようなのですが、気候がよくあったのか、それはそれはすごい繁殖力で今では困ってしまっているのだそうです。
日本でもしばしば生えすぎて迷惑することもあるらしいのですが、アメリカはもっと快適だったんでしょうか、
「UCNの定める世界の侵略的外来種ワースト100」
に入るぐらいの勢いで、他の植物を絞め殺しながら勢力拡大をしているようです。
日本ではその根っ子を「葛粉」として馴染みのある植物ですが、なんとも怖いお話です。
そして意外だったのが、
「わかめ」
です。
これも日本ではおなじみの海藻ですが、船にくっついたり、タンカーの「バラスト水(空になった倉庫に重さ調整のために入れる水)」に入り込んだのがよその海域で根付いて、それを食べる習慣もないことからえらいこと勢力を拡大して、嫌われているのだそうです。
「増えるのが嫌ならわかめを食べればいいじゃない」
と、どこぞの女王様が言ったという言葉のように、それじゃあ食べようという風にはいきません。まあ、その言葉自体はデマらしいですが。
実は、海藻を消化できる民族はごくごく限られた一部、というか、ほぼほぼ日本人だけなのだそうです。
いやあ、びっくりしますよね。
まあ、おにぎりについてるのりの1枚や2枚ぐらいならどうってことないんでしょうが、とにかくそういうことだそうです。
つまり、海外の人にとってわかめは、めいわく極まりない海の雑草、ということになりますか。
光合成とかして酸素作ってくれてる気もしますが、元々その海域にはなかったのが、これも環境があったのか迷惑なほど勢力を拡大しているのは間違いがないようです。
そういえば、大学の時の友人がコスモスのことを、
「元々日本の花でもないのに無節操にあっちこっちに増えて、母が庭にまいたから全部ひっこぬいてやった」
と言っていて、すごくびっくりしたことがあるんですが、言われてみればあれも外来種、ただ、日本人が好んだから歌のテーマにしたり普通に植えて愛でてるだけなんですね。
オオキンケイギクもナガミヒナゲシも、来たくて来たわけじゃないのに嫌われて気の毒ですが、それでも困るので引っこ抜くしかないのでしょう。
ちょっとの違いでコスモスになれなかった特定外来植物、やっぱりちょっとかわいそうだとは思いました。
海藻の消化については日本人にしかない酵素というのがあるとかないとか、ちょっとばかり眉唾という話になってきているようです。
長年ずっとそうだとばかり思っていたんですが、他の民族でも海藻を食べる民族はあるということですので、今では古いか、もしくは当時の間違った知識が広まったものかも知れません。
「アメリカではワカメはほとんど食べないのだ」ということは事実らしいので、やっぱり食べて減らそうということはできそうにないですが、そういうことらしいとご理解いただけるとうれしいです。




