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小椋夏己の千話一話物語  作者: 小椋夏己
2023年  5月
138/1001

小さなさくらんぼ

挿絵(By みてみん) 


 今朝は朝一番で病院へ行き、そして美女と遭遇したわけですが、急いで行ったのには土曜日だという以外にも理由がありました。

 

 私は今、両親と伯父が入っているお墓の世話をしています。その伯父の祥月命日が来週なのですが、土曜日も仕事で完全な休みは日曜日だけなので、今日のうちにお墓の手入れをしに行きたかったのです。暇な仕事とはいえ、そちらもほっておけませんし、とっとと病院を済ませてお花だけでも入れに行かないと。


 うちの墓所はがんばれば歩いてでも行けるぐらいの距離の場所にあるんですが、普段あまりに運動不足、歩き慣れていない体にはちときつい距離でもあります。一度、休みの日に散歩がてらと歩いて行って、墓苑の入り口まで行けずにギブアップしたことがあります。入り口までは比較的平坦な道なんですが、一歩墓苑の敷地に入ると後はずっと登り坂です。その角度と帰りの道を考えるとがんばって上がっていく勇気はなく、持って行ったお弁当をふもとの公園で食べて帰ったのもいい思い出です……


 病院へ行った後、花を買って墓苑へ。さっときれいにしてお花だけ入れて、また来週来ますと行って帰ってきました。


 墓苑への道は春には延々と桜並木、車で走るだけでお花見をしている気分になれる美しい道です。実際、お花見をしている人も結構います。私も花見をしようと思って友人と公園に行ったらあまりの人で諦めてこちらに来たこともありますし。


 でも今は緑一色。そしてそんな坂道を今日は中学か高校か分かりませんが、どこかの運動部の子たちがトレーニングで走ってました。これも週末には見慣れた風景です。若いっていいな……


 桜は墓苑への道だけではなく、墓苑の中にもあります。うちの区画にも何本もあって、春に来るとそれはもうきれいなのです。そして今日はその青々とした桜のまた違う姿のことを書きたいと思います。


 花を持って車から降り、うちの区画に足を入れようとしたら、


「あ、さくらんぼ」

 

 小さな枝が落ちていて、そこに小さなさくらんぼが赤々とした実をつけているのを発見しました。


 見上げるとそこにはたくさんの赤い実が。

 おそらく、種類的に食べられないか食べてもおいしくないさくらんぼだと思いますが、こんな風に見たのは初めてでした。

 この季節にもう何回も来てるのに、あんな実が成ってるなんて知らなかったなあ。桜が咲いてるピンクの時には見上げてるけど、他の季節には見てなかったんだろうと思います。


 手を伸ばしても届かない場所なので、墓苑にたくさんいるカラスの仕業かも知れませんが、思わぬ発見に思わず頬が緩みました。

2023年 05月20日 16時37分に投稿していましたが、さくらんぼの写真を入れたくて投稿し直しました。

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