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小椋夏己の千話一話物語  作者: 小椋夏己
2023年  5月
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病院の美女

 今日は朝一番に病院へ行って来ました。

 土曜日なので8時半の受付開始までにと、8時15分ぐらいに駐車場に車を入れてから急ぐと、すでに3人並んでいて私は4番目でした。人気がある先生、しかも土曜日なのでこのぐらいには行かないとどのぐらい待つことになるか分からない。


 時間になったので中に入り、待合室で座って呼ばれるのを待っていました。その間にも次々と人が来て、よく様子を分かっている人は「いっぺん出てくるわ」と、受付だけ済ませて何人待ちかとか聞いてから一度外出したりもしてます。


 私は一番隅っこで座って待ってたら、その列より前、一番前をとてもおしゃれをしたお嬢さんがさらっと通り、私の左側にあるこちらからは横向きに見える席に座りました。

 マスクで下半分は見えませんが、なかなか気合いを入れておしゃれをされてます。病院が終わったらどこかにお出かけかも知れません。


 きちんと整えたロングヘア、上半分しか見えませんがきれいに仕上げたメイク。目立たないようなベージュっぽいマスク。上は涼し気な薄い緑のブラウスに、下はライトイエローのロングスカートなんですが、レースの少し丈が長めのなんて言うんでしょうね、二重になったスカートみたいので裾から下はレースから足がちらちらと見えるような、そんな形です。

 足元はもう夏用、厚底の黒いサンダル。手にはなんと、ヴィトンのバッグ!


 待ち時間に特にやることもないのでスマホを見たりしてたんですが、思わずじっくり見てしまうぐらいに上から下まで決まってました。


 うわあ、決めてるなあ。

 ほむほむと見惚れるようにして見てたんですが、ふと、気がついてしまったんです……


 お嬢さん、スカート、裾、床に擦ってるで……


 あのきれいなライトイエローのスカート、その裾が椅子に座ってるせいでべたっと床に擦れているのです。病院の床、きれいに掃除されてるんですが、やっぱり人が土足で歩くところですし、すごく気になってしまいました。


 こういう時、声をかけていいものかどうか。

 私の席からは3人分ぐらいは離れた席、角の席に座っていて隣は柱です。その柱の向こうの壁にそった椅子の向こう側にそのお嬢さんは座っていて、私の前には2列ほど私が座ってるのと同じ向きに椅子が並んでいて、そこにも人がしっかり座ってます。


 うむむむ、どうしようか……

 

 悩んでたら呼ばれて中に入ることになりました。

 結局言えず……


 治療を終えて待合室に戻り、ちょうどお嬢さんの隣に座ることになりました。

 そして、声をかけようかと思ったら、次にお嬢さんが呼ばれて入っていき、結局言えず仕舞いになりましたが、立ち上がったからスカートも擦らずに済むようになってよかったです。


 それからすぐに会計に呼ばれたので、お嬢さんのスカートの裾の確認はできませんでしたが、せっかくのお出かけ(多分)、スカートの裾が無事で楽しい一日を過ごせていますように。

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