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小椋夏己の千話一話物語  作者: 小椋夏己
2023年  5月
134/1001

過ぎたること

 広島に、被爆の地に各国のトップが集まっています。これはやはり歴史的な出来事だと思います。

 おそらくいいことでしょう。


 そしてそれと同時にちょっとばかり考えることもありました。


 参加されてるうち、いわゆる核保有国と言われる国のトップの方が何名かいらっしゃいます。

 それについては今どうこう言うことではないし、どうしようもないことなので何かを言うつもりもありません。

 ただ、それぞれの国が保有しているその数、何千とか何百とか何十とか、一発でどんだけのことになるか想像できるそれを、それだけの数保有し合っている、そのことについて、いつも思い出す作品があるのです。


 星新一のショートショートの一編で、何しろその数が「1001編以上」あるもので、タイトルまでちょっと覚えていませんでした。あまりタイトルとか覚えていられない残念な記憶力で申し訳ない。


 私は星氏のショートショートを少なく見積もって950以上読んでると言い切れます。さすがに全部は言い切る自信がないんですが、文庫本として出版された作品と言うと、もしかしたら全部読んでるかも。そのぐらい読み込んでます。まあ、タイトルとかはすっかり忘れてしまっていますが。


 今は本も手元にないもので、ストーリーはうろ覚えになりますが、まあこんな話だとだけ分かっていただくなら、その程度でもいいかなと思います。


 その作品は、地球にある時宇宙連合みたいなところから「地球も進歩したから仲間になっていいよ」みたいな連絡がきたところから始まります。


 喜んだ地球ですが、一つだけ疑問に思うことがある、それに答えてほしいと言われます。

 

 どんな質問かと思ったら、


「なんで地球を何百回も壊してしまうほどの核爆弾を保有しているのですか?」


 でした。


 これに答えるのに地球側が困るんです。

 そして正直にこう答えます。


「相手に撃ってこられても返すために」


 宇宙連合側はますます疑問に思います。


「いや、そんなもん1発撃ったらどうなるか分かるでしょうに、そんなに撃ち合いする前提でそれだけ持ってるなんて信じられない」


 結果として地球はなんとか仲間に入れてもらうのですが、いつまでたっても、


「なんか地球って信用出来ないよね」


 そう言われ続けるという結末です。


 本当にその通りだなと思って深く残っています。


 70年以上前にたった2発であんなことになった兵器を今も作り続け、それだけの数を保有している。宇宙人の言う通りですよね。


「なんでそんな数いるの?」


 本当にそう思います。


 一時よりは減っていると言われても、相手より上回って保有したいからと言っても、そんだけの数撃ったらどうなるかなんて、子供でも分かりますよね?


 ちなみに今回のために調べてみたところ、掲載されているのは新潮文庫「ひとにぎりの未来」で、タイトルは「幸運の副産物」らしいです。よろしければご一読ください。

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