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小椋夏己の千話一話物語  作者: 小椋夏己
2023年  5月
114/1001

ソーセージと目玉焼き

 今日のお昼、


「何を食べようかな」


 と、冷蔵庫と相談して、「だし巻き」「水菜のおひたし」「いかなご」それから「ソーセージ」にしました。


 水菜は前に常備菜として作ったのが残っていて、だし巻きは卵買ったから。今高いですもんね。

 昨日は用事で出かけてて、もう作るのしんどくて出来合いを買ったので、冷蔵庫に冷やご飯だけ残ってる状態。食材は買ってないので冷蔵庫と冷凍庫に残ったのでお昼を食べることにしたのです。


 だし巻きを作って、水菜と一緒にお仏壇にお供えしてから、


「そういや冷凍庫にソーセージあったな」


 と思い出し、卵焼き器でちまちまと焼きながら、ふと、思い出しました。


 ソーセージ、多分、私が生まれて初めて調理した食材です。それと卵。


 私は子どもの頃、それはもうひどい偏食でした。あれ嫌いこれ嫌い、すき焼きすると「()」しか食べられない、水炊きすると食べられるものがない、子供が好きなはずのカレーも嫌い、菓子パンも食べられない、お好み焼きすると肉をはがして粉部分だけ食べる、お菓子も駄菓子とか食べられない。

 いやはや、何食べて生きてたんですか、と聞きたくなるほど好き嫌いが多かったんです。


 それでも毎日ご飯は食べないといけない。それで食べられる物がない時は、母親がストーブの上に小さなフライパンを置いてくれて、その上で自分でソーセージを炒めて食べるか、目玉焼きを焼いて食べてました。

  

 父親は仕事でいつも遅かったので、夕方、アニメとか見ながらこしょこしょとソーセージ炒めてそれを食べる。もしくは目玉焼きです。作ったおかずが食べられないんですから仕方がない。


 父親がたまに早く帰ってくると「好き嫌い言わずに食べなさい」と言われるので、ものすごく嫌だったなあ。そんな時は半泣きになりながら、なんとか少しでも食べてたように記憶しています。


 というわけで、一番古い料理の記憶が幼稚園ぐらいの時のソーセージと目玉焼きです。

 

 その後、小学生の後半ぐらいから好き嫌いがなくなり、今ではよっぽどのゲテモノではない限り、普通の料理と言われる範囲のものならば、他の人が苦手と言ってるものも食べられるようになってます。


 料理も小学校の高学年にはもう色々と作っていて、小学校の家庭科の調理実習で作るようなものは、どれももう自分でさっと作れていました。


 元々父親が家で作った食事が好きで、母が大抵のものは作っていたもので、知らないうちに自分も料理ができるようにはなってますが、その出発点は偏食ゆえのソーセージだなあと、それを思い出しながらお昼ご飯を食べました。

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