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小椋夏己の千話一話物語  作者: 小椋夏己
2023年  4月
107/1001

銭湯で洗髪

 テレビを見ていたら、古いタイプの銭湯を紹介していました。


 その時、


「以前はこんなのがあったんですよ」

 

 と、示していたのが、


「洗髪の人は先に洗髪代を支払ってください」


 みたいなことを書いてある張り紙でした。


 そういやそういうの、親だったか他の親戚だったか分かりませんが、ふと、聞いたことがあるなと思い出しました。

 

 私が物心つく頃にはすでに家にお風呂があったんですが、母の実家のようになっていた伯母の家に行った時、銭湯に行ったことはあります。伯母の家にもお風呂はあったんですが、ほぼ一人暮らしなのですぐ近くにある銭湯に行く方がいいと銭湯通いをしていたもので、それで行ったことがあるんですね。


 小さな頃だったので自分で料金を払ったことはないし、ましてや洗髪代を払っていたかどうかなんて全く覚えていません。

 自分で銭湯代を払ったことがあるのは大学卒業後です。東京で就職した友人宅はお風呂がなかったもので、その時には銭湯に行ってました。洗濯もコインランドリー。何回も遊びに行ったので、なんとなくテレビドラマの東京一人暮らしの若い人、みたいな経験ができて楽しかったです。でも値段はすでに覚えてないなあ。


 どうして洗髪代などというものがあったかと言いますと、昔は女性は日本髪を結うぐらい髪の長い人が多くて、毎日は髪を洗ってなかった。それで髪が短い人と比べてたくさんお湯を使うので不公平だ、ということから洗髪代を取ることになったらしいです。鬢付け油なんかもつけてましたし。


 ちょっと調べてみたら、戦後すぐの頃には入浴料金と洗髪代は同じ料金、つまり普通の入浴料金の倍払っていたんですね。それが、時代が進んで入浴料金は上がっても洗髪代は据え置き、逆に値下がりして昭和40年代には廃止になったようです。その頃にはほとんどの人の家にお風呂ができたからでしょうね。髪もほぼ全員が洗うようになっていっただろうし。


 江戸時代の吉原の風俗を書いた錦絵か何かで遊女が、


「ああうれしい、今日は月に一度の髪洗い日よ」


 と言ってるのがありました。それぐらい昔は髪を洗わなかったので、それでそういう料金を取っても不思議ではなかったんでしょう。今じゃ髪を洗わない日の方が少ないように思いますが。


 うちの近く、行ける範囲で調べてみたら、スポーツジムに付属の入浴施設を使えるようですが、お風呂だけの料金は書いてないので、会員だけみたいです。


 ああ、たまに両手両足を伸ばして、大きいお風呂にざぶーんと入りたいもんですねえ。銭湯に行きたいなあ。

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