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小椋夏己の千話一話物語  作者: 小椋夏己
2023年  4月
105/1001

お弁当の納豆

 お昼ご飯に納豆を食べていて、ふと、中学時代の同級生のお弁当を思い出しました。


 隣の席のKという面白い女の子がいたんですが、ある日のお昼、お弁当を開いたまま、


「がん!」


 と、机の上におでこをぶつけてふせってしまったのです。


「どうしたん!」

 

 驚いて聞くと、


「またお弁当に納豆入ってる……」


 そう言って、嫌そうにお箸で隅っこに入れられた薄茶色の豆を、


「えい、えい」


 と、つついていました。


 私は中学の頃はもうほぼ好き嫌いがなくなり、それどころが他の人があまり好きではない物まで食べるようになっていたんですが、納豆はまだ食べたことがありませんでした。


 まず母親が納豆を嫌いでした。


「あんな腐った臭い豆よう食べんわ」


 と言って、私の記憶にある限りは食卓に上がったことはありませんし、父親も特に自分から納豆をどうということもないので我が家では食べる機会がなかったのです。


「納豆ってどんなん?」


 そう言って見せてもらったんですが、テレビや漫画で見たり聞いたりするようなねばっとした感じもなかったですし、そんなに臭いとも思いませんでした。


「えい、えい、この納豆め!」


 そう言いながら、Kはそれでもいやいやながら納豆も食べていました。


 今にして思えば、あれはいわゆる普通の納豆だったんでしょうか?

 もしかしたら、これも名前だけ聞いたことありますが「浜納豆」とかそういう、もっと乾燥したような納豆の仲間だったのかも、という気もします。


 以前は関西の人は納豆を食べないということでしたが、いつからかスーパーでは普通に売り場がありますし、色んな納豆を売っています。私も気がつけば食べるようになっていました。初めて食べた時のことはもう覚えていませんが。

 母親はおそらく生涯好んで食べることはなかったと思いますが、父親は薬の飲み合わせで納豆を食べられなくなるまでは時々でも食べてました。妹も食べてたように記憶しています。


 全然そんなこと思い出すこともなかったんですが、いきなりあの日のKのことを思い出し、お弁当に納豆って入れる人いるんだろうか、と疑問が浮かんできました。

 Kが言うところによると「体にいいから」と入れるのだと言うことでしたが、私が知る練るとねばるような納豆なら、お弁当に入れて大丈夫だったのかな、と少し心配になります。

 季節によるだろうと思いますが、お弁当に入れて中で腐ったらどうにもならないように思いますし、もしも入れるとしてもパックのまま持って行くんじゃないかとも思います。 


 もしも、


「うちもお弁当に納豆入れてたよ」


 という方がおられましたら教えてください。


 うーん、いらっしゃらないような気はするんですが、どうでしょう?

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