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小椋夏己の千話一話物語  作者: 小椋夏己
2023年  3月
104/1001

フランシーヌの場合

 今日は2023年3月30日木曜日です。


 昨夜、夜中に目が覚めてスマホで時間を見て、


「3月30日か」


 と思うと同時に、ふと、思い出した歌があります。


「フランシーヌの場合」


 今回チェックするまで「フランシーヌの場合」だったか「フランシーヌの場合は」だったかうろ覚えだったんですが、前者が正解だったようです。


 まだ小さい頃、多分テレビでこの歌が流れているのを聞き、ものすごく怖かったことを思い出しました。


 何が怖いのかと考えるに、まずその旋律。なんともさびしげ、今思い出しても気分が滅入るような、重い静かな音楽です。

 次にその歌詞、フランシーヌの場合はあまりにもおばかさん、かわいそう、そういう歌詞が続きます。そこに並ぶ言葉がなんとなく哀れむような単語の羅列で、それもなんだか気持ちが重くなる感じです。


 そして何より一番堪えたのは、そのサビの部分です。


「3月30日の日曜日 パリの朝に 燃えた命一つ」


 小さかった私は、そこの部分で人が燃えているのを想像して、ものすごく怖かったのを記憶しています。


 それ以来、毎年3月30日になるとなんとなくフランシーヌを思い出してはいましたが、正確にその歌の意味とかを調べたことはありませんでした。なんとなく、何かで、フランシーヌという人が本当にいて、この日に亡くなったのは本当だ、ぐらいは知っていました。それで勝手に日本でも東大紛争とかで学生の方が亡くなったりしているし、デモかなにかに巻き込まれて亡くなった方なのかなと思っていました。


 それで昨夜、目が覚めてスマホを手にしたついでに、本当に初めて、どういう歌詞なのか、その背景は、などを深夜3時頃に調べてびっくりしました。本当に焼身自殺なさってたとは! 海外の内戦に反対してそういう行動を取られたようです。


 そして、てっきりフランスのシャンソンを日本語で歌っているのだとばっかり思っていたこの歌、実は1969年に発表された純日本産のフォークソングだったとは。それに、ここは全く記憶がなかったんですが、フランス語のセリフも入っていたようですね。そりゃフランスの歌だと思いますよ。


 なんにしろ、子どもの頃に怖いと思っていたことが本当だったと知り、新しく衝撃を受けました。

 当時は反戦歌がたくさん歌われていてその中の一つなんでしょうが、幼い私の心に衝撃を与えた歌であったことは間違いがないです。


 フランシーヌという方が、どうしてそんな過激な行動を取られたのかは分かりません。ですが、戦争そのものはもちろん、それに派生したこのような悲劇も起きない世界になってほしい、そんなことをあらためて思っていました。

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