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小椋夏己の千話一話物語  作者: 小椋夏己
2021年  6月
1/1001

わざとはずしてる?

 用事があって電話した時、


「しばらくお待ち下さい」


 と、保留音が流れてくることがありますよね、今日かけたところでもやはりそうして待っていたんですが、


「愛の挨拶、保留音に使ってるところ多いなあ」


 と、思いました。


 私がよくかけるお店の保留音も「愛の挨拶」なんですが、そこのお店の音、なんと言いますか、


「すごく音がはずれてる」


 んです。


「電話機が古いのかな」


 と、ずっと思ってたんですが、ある時、まったく違うお店にかけたら、やっぱり「愛の挨拶」を使ってて、その音のはずれ方が一緒だったんです。


 ということは、あの保留音、あえてああしてはずしてるのを売ってるんだろうか? そう思ったんですが、今日かけたところはさすがにちょっとばかり大きい企業さんだったせいか、すごく美しかったです。安心して聞いていられました。


 それで、ふと、思い出したことがあります。


 子どもが小さい時、おもちゃのピアノを買い与えることがあると思いますが、ああいう楽器、赤ちゃんが使うようなおもちゃの楽器、あれ、あえて音をはずしていることがあるそうです。

 なんでも、きちんとした音が出るのは楽器扱いで税金が高くなるんだったかなあ、なんか、そういう関係であえて少しはずして「ちゃんとした楽器じゃありません」と主張してる、と聞いたことがあるのです。


 本当かどうかまで分かりませんが、もしも、親が子どもの音感のために、とか思って買っていたら、狂った音感がついてしまったりしないのかな、と思ったことがあります。

 

 いつもの音が狂った「愛の挨拶」ではなく、美しい「愛の挨拶」を耳にして、なんとなくそんなことを思い出しました。

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― 新着の感想 ―
[良い点] 本当にすごい共感できた。 確かに子供用のピアノは音が狂っているし、 そうなってしまえばその狂っている音が正しい音だと勘違いしてしまうのも凄い説得力があった。
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