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引越して来て、4年目。何故か人気ブイ◯⚪︎ーバーになってた、なんでや?  作者: 本好コー
第二章 新米Vtoob〇r チュブルーム編
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09 面接とその後

それから十数分後、ハルくんが呼ばれた。


その更に十数分後、俺も呼ばれた。


面接室の扉を開けて座っていたのは、

面接官3人と...天音さんやった。


「あまっ...加藤さん!?」


「どうも〜。天を泳ぐ華、天華ソプラでーす。

 こんにちは〜」


えぇっ!?天音さんがソプラさんやったん!?


あぅ...タメ口使って失礼なやつやと

思われてないやろか...?


「では、面接を始めます」


面接官の人が怒るでも微笑むでもなく言う。


俺は5人中四番目やった。


「志望理由」「Vtooberになってやってみたい動画」

「特技、特徴」「コラボしたい先輩Vtoober」

「その理由」

etc etc...


困惑して殆ど覚えてないけど、

こんな感じで答えた気がする。


「大阪からこっち来たばかりです。

 妹と二人での生活資金が欲しくて、

 偶々広告を見つけ、ここに来ました」


「歌ってみた...とか」


「普段は大阪弁で喋ってます。

 体が弱いので力とか体力のいるコンテンツは

 多分無理やと思います...

 高い声と女性風とか中性風の声は得意です。

 え?やってみて?わかりましたーーーーー」


「天華先輩です。さっき友達なってって、

 僕に言うてくれたからです」


etc etc...







気づいたらさっきとは違う部屋におった。


「いや、天音さんが天華さんやとは思わなんだ」


「わかるはずねーししゃーねーだろ」


「そうやな」


「あとは神に...じゃない、面接官に祈ろうぜ」


「あはは、せやな」


そうして後日、家に手紙が送られてきた。


「おお、チュブルームさんから。

 どっちやろ...?」


ドキドキしながら紙を広げ、

閉じていた瞼をゆっくり開いていく。


紙の最後に...合格、と大きな文字で書かれてある。


「や、やったぁぁああ!」


「にぃに、受かったん!?」


「せやで美幸!兄ちゃん仕事できてん!」


「すごいにぃに!」


気を取り直して、他の項目に目を通していく。


なになに...機材などは基本こちら(チュブルーム)で

用意して、入ったお金から少しずつ返してもらうけど

自分で買うという選択も可。


3Dアバターの為のイラストレーターも同じく、

基本用意するが自前で依頼しても良い。


後は...企業契約とかやな。


「美幸、学校で兄ちゃんの事

 喋ったらあかんらしいで」


「うん、大丈夫。誰にも言うてへん」


「そらよかったわ」


すぐにハルくんとも連絡を取る。


「ハルくん、ハルくんは...どうやった?」


『ああ、それな...合格だったぜ!』


おお〜!!


「やったやん!俺も合格やねん!

 これで一緒に仕事もできるやん!」


『おお、凄いな俺たち!やばい、興奮で

 眠れる気がしねぇー!』


「二人とも合格で、ほんまよかった...

 合わせる顔がなかったらどうしよかって」


『なに水臭ぇこと言ってんだよ!俺たちは

 友達なんだろ?』


「ああ、勿論やで」


『ならそんな事、気にしなくて良いんだよ。

 まぁ、二人とも受かったわけだが』


「...わかった。相変わらず優しいで、ハルくんは。

 本人は認めとらへんけど」


『うっせ、自分で認めたらなんか恥ずかしいだろ』


「ふふ」


『ははは』


その後も興奮冷めやらぬまま、

美幸に言われるまで会話は続いた。








卒業式。長い校長先生の話も真面目に聞いて、

同じ学年の仲間との別れに涙した。


卒業証書ももらった。


下級生や保護者(俺の場合美幸)に見送られて、

紅白に飾られた体育館を出る。


いつになく先生方の言葉が胸に刺さる。


そして帰るんやとなった時。


俺とハルくんの胸のボタンは無茶苦茶に狙われた。


俺なんかもうシャツのボタンまで取られた。


抵抗しよかなとか思うたけど

壁に俺の腕を押し付ける女子を逆に押そうとして、


ぐっ。...ぐぐっ。


早々に諦めた。悲しいことに、

押し返そうとしたことにすら気づいとらん。


俺が全部のボタンを毟られたあと、


晴美ちゃんと結衣ちゃんが苦笑しながら待っとった。

ハルくんはシャツのボタンは死守しとった。


まだまだ寒い時期ではあったのにやな...


「へくち!」くしゃみをひとつすると、

自転車に跨り帰路に入った。


因みに、この三年間で四人に

彼氏彼女は一切できてへん。


え?相手は沢山おったやろて?


そんな好きになってもないコと無責任に付き合うたり

したら、相手悲しませるのがオチや。(俺の場合)


ついでに俺の部活は放送部やった。


因みに、結衣ちゃんはええ大学に合格しとる。


いつも通り俺んちに行ってご飯を作り、食べる。


しみじみと高校の思い出を語り、


少し遊んで、みんなは帰る。


明後日はいよいよ、マネさんとのミーティングや。







チュブルームのマネさんが来るという事で、

いつもより念入りに掃除した。


まぁ、あんまりやった事変わってない気はするけど。


ピンポーン


インターホンが鳴って、スーツに身を纏った女性が

画面に映る。


「はーい、今出ます〜」


がちゃり、ドアを開ける。俺の格好おかしないよな?


「こんにちは〜」


「こんにちは渡辺さん」


「まぁ、なんにもないけど上がってください」


「では...お邪魔します」


流石に初対面の人には丁寧に喋るからな?


お茶請けとお茶を出して、とりあえず座る。


「綺麗にされていますね」


「ありがとうございます」


「いえいえ。それで、早速本題なのですが」


「はい」


「撮影する予定の部屋を見させていただいても

 よろしいですか?」


「わかりました、こっちです」


階段登って、物置の一角になるかと

思われとった一室に入る。


狭くも広くもない、微妙な部屋や。


でも、撮影部屋と考えたら悪くない。


寧ろ、丁度ええと思うサイズ。


今はなんにもおいとらへんし、ええんちゃうかな?


「ここです」


「良いですね、コンセントも有線LANすらも

 あるじゃないですか」


「ここに机置いて、パソコンとかカメラとか、

 その机に置くつもりなんですけど...

 他にあった方がええもんてありますか?」


「えっと、WEBカメラや

 VRヘッドマウントディスプレイ、

 後はフェイスリーディングとかのアプリ、

 マイクですかね」


そういえば...


「あの、ヘッドマウントってやつはないんですけど、

 WEBカメラとマイクならあります」


「成る程。それとアプリがあればできるのですが...

 VRHMDもあれば便利です。

 出来ることの幅が増えるので、

 金銭的な余裕があるのならばお勧めします」


「そうですね、今度買ってみます」


そのあと、アカウント作成やプロフィール作成や

今後の方針など、

色々話してからマネさんは帰っていった。

感想や主人公に聞きたい事、

ブクマ、評価...

お願いします〜!


No.10(?) マネさん

蓮は新人なので空いている人が担当する。

その為、マネさんと言っても一人ではないのだ。

作者は全く考えてないし覚えようともしてないが

蓮は全員の名前や特徴を覚えたらしいぞ!

スゴイネ!

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― 新着の感想 ―
[一言] 偶々見つけて一気に読んでしまいました。 主人公が方便な作品ははじめて読みましたがどストライクでした。更新を楽しみに待ってます。
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