5.異界からの訪問者~逃亡者を抹殺せよ~1
蒸し暑い夏の夜。
五十嵐家にも夏休みがやって来ました☆
「ッ・・・」
五十嵐 戒生
本日買い出し当番。
「暑い・・・」
何で
このクソ暑い日なんかに限って、俺が買い出し当番なんだよ・・・
「ミーンミーンミンミン・・・」
蝉の鳴き声。
より蒸し暑さが増す。
「ミーンミーンミ・・」
「ッるせー!!!」
「ババッ」
少年に怒鳴られ、蝉は何処かへ飛んで行きました。
「チッ・・・」
暑苦しいんだよ!!
((だからって蝉に怒っても何も変わりませんよ。生き物は大切にしましょ。
「ザバ―――――――――ン・・・」
「海か・・・」
そういえば、もう夏なんだよなぁ・・・
天気良い日にでも、アイツら連れて泳ぎに来るか。
燐、海好きだし。
「バシャバシャッ」
暗い海に一つの影。
「ん・・・?」
人居んのか。
今、7時・・・
まぁ、まだ誰か居ても、おかしくない時間ではあるが・・・
「一人」・・・?
「バシャバシャッ」
「♪」
気持ち――――――――ぃ♪
海なんて初めてやっ!
「あっち」にもつくってくれへなぁ・・・?
それにしても、「こっち」来て、ホンマ良かったわー♪
・・・遊びに来たワケやないんケド。(汗
「おい!」
「?」
・・・見ねー顔だな。
越してきた。って言う話は聞いてないし・・・
観光か何かか?
涼ちゃんに殺される・・・
殺される・・・!!
絶対に殺される!!!
・・・その前に!!
「ジャキンッ」
謎の少女は突然、何処からか鎌を取り出した。
「は!?」
「ほな。ホンマ悪いんケド、死んでもらうわ」
い゛ッ!!!?
「ちょっと待て・・・!!」
一体
何をどう考えたら、答えがそこに行き着くんだよ!?
「何や!?しゃーないやん!掟やもん!!他の人間に広まる前に、始末しなかんの!!」
おい、コラ。
始末って言うな、始末って。
「誰にも言わねー。どうせ信じねーし。それで良いだろ?安易に人を殺めるな」
あ。
ウチの連中はどうだか分からんが・・・(汗
「ホンマ!?」
「あぁ」
「ありがとー♪優しい人間おるんやなー」
この女、一体何なんだよ。
泣いたり、笑ったり・・・
忙しい奴。
「じゃーな。補導されないように気をつけろよ」
「な!!?補導されへんわ!!!ガキやない!!って、ちょ?!聞いてんの!?」
「・・・」
完全無視。←
「カッカッ・・・」
・・・パッと見16,17。
どう見てもガキだろ。
「♪」
ホンマ、優しい人間おるんやなー・・・♪
これで涼ちゃんに怒らんで済むわ♪
「さて・・・と」
そろそろ帰らんと涼ちゃんに怒られる。
・・・・・っ!?
「ガサガサッ」
暗い砂浜
明かりも無いので当然、探し物は見つからない。
「え!!?え!?うっそ!?何で!?何でや!!?」
無いっ
無いっ
「鎌・・・鎌が無いーっ!?」
・・・怒られる。
コレは・・・
100%怒られる!!
「クーン・・・?」
「ひぎゃぁぁぁぁぁ!!?」
・・・?
『クーン・・・?』
「くるっ」
彼女が振り向くと、そこには一頭の白銀の狼が居た。
「刹那!!」
「何、キャーキャー言ってんだよ」
刹那
♂
白銀の狼
「・・・刹那」
「あ?」
「やっぱ、狼が喋るっておかしいわ。正直キモ・・」
「喉、引き裂いてやろうか。あ?」
「いえ、結構」
それにしても、涼ちゃんじゃなくて良かったわー・・・
涼ちゃんに鎌無くした!なんて言えへんもん。
・・・無くした?
無くし・・・た
「―――――――――――――っ!!」
「あ――――――――!!!」
「!?なっ!?何だよ!!?事ある事に叫びやがって」
「アイツや!アイツ!!」
「だから何がだよ・・・」
「あのガキ!!あのガキが盗んだんや!!」
「何を・・・・・?」
「何って、アタシの鎌っ・・・・・・!!」
この声は・・・・・
「へぇ?そう・・・?随分、楽しそうね。茜」
涼七
女
実年齢不明
外見年齢20,21
死神ランクA
「涼ちゃん・・・・・・・・」
茜
女
実年齢不明
外見年齢16,17
死神ランクB
「さて、お話を聞かせて貰おうかしら・・・?」
「あ・・・えーっと・・その・・・・・」
ヤバい・・・!
ヤバい!!
ヤバいッ!!!
「言いなさい。・・・良いわね?」
「・・・・・はい」
涼ちゃん。
涼ちゃんの後ろに鬼が見えてんのは、ウチの気のせいかな♪←