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4.反抗期到来!?丁度イイから自立したら?

梅雨のワリには珍しい晴れた空。

ジメジメとした湿気の無い、カラッとした気候。

風力2。

心地よい風が吹いている。

それは日曜日をただ、何となーく過ごしていたトキだった。


「カチカチカチッ」


「やっぱココは魔法だろ!?」

「えー?普通に突っ込む方がラクじゃん!!」

「何の話してんの・・・?」

((ゲームだよ♪


「ダダダダダダダダダッ!!!」


地盤が緩むような足音。


「ん?」


何の音?


「バンッ!!」


激しい音をたてて、扉が開いた。


「燐ー!!」


二十歳を過ぎた男が、泣きながらやって来たようだ。


「鳥羽!?」


「ガシッ」


そして、少女名を叫びながら、少女の足にしがみついた。


「燐ー!!聞いてくれよー!!憂が!憂がぁぁぁ!!」

「・・・ッ」


ッどいつもコイツも・・・!!!

※前話をご覧下さい。


「バンッ!!」


少女は容赦なく、青年(とは、決して呼べない青年)を蹴り飛ばした。


「ッいってー!!何すんだよ!?」

「アンタ、何の断りもなく、人ん家に入って来るなんてイイ度胸してんじゃないの」


「ガンッ」


「わぷっ!?」


わぁ♪

やっぱり母さんの娘だ・・・!!

(解説)

五十嵐 涼七(この子達の母さん)は偶然、銀行にやって来た強盗を、仕留めたそうです。

その後、捕まった強盗犯は、何が一体恐ろしかったのでしょうか・・・?何もかも自白しました☆

また、店内の銀行員と客はその様子を、

「風のようだった」と言ったそうです。

つまり、風のような素速さだった訳ですね。


「わっ・・・悪い」


やはりここは、素直に謝るのが吉のようです。


「で、何しに来たの?」

「憂が・・」

「帰れ」


え―――――――――――っ!?

一語だけでそれぇぇぇ!?


「いや・・・取りあえず話だけでも」

「帰れ。って言うか、早く自立しなよ。いつまで妹に縋りついてんの?アンタ何歳よ?」

「21」

「酒も飲めるー♪」

「選挙権・・・」


ついでに煙草もOK♪


「帰れ」

「ッんな事言うなよー!!」

「五月蠅い!!」

「燐ー」


「ガシッ」


「ちょ!?だから、足にしがみつかないでよ!!」


「バシッ」


又もや少女は、青年を蹴り飛ばした。


「あの・・・燐」

「何!!?」

↑相当、苛立っているようです。

「話だけでも・・・な?」


流石にお兄ちゃんも、鳥羽が可哀相に見えたようです。


「・・・ん」


何か大人しくなった・・・!!


「んじゃ、取りあえず何があったのか説明してくれ。鳥羽」

「おぉ・・・――――――――」


それは・・・

午後2時頃。

俺が憂のハンカチのアイロンをし終えた時だった・・・―――――――


何、この始まり方。

変なBGM流れてるし。

※この場に合うような、お好きな曲をご想像下さい。


「憂ー♪ハンカチのアイロンがけ終わったぞー」

と、俺が言った途端、憂は小声で・・・


「・・・五月蠅い」

「!!!!!!!?」


今まで一度も、俺に対してそんな暴言を吐かなかった憂が

「五月蠅い」と言ったのだ・・・―――――――


「と、言う訳だ」


回想、短ッ!!!

泣きながら来るワリには案外、我が家では何でも無い発言だ!!

むしろ日常茶飯事だ!


「あら、やっと本音が聞けて良かったじゃない。丁度イイじゃん。ついでに、今日を境に自立したら?」


妹よ!!

相手が弱って居ようが、発言が容赦ない・・・!!

((これがこの家での日常だと思うと、作者もイヤだ。

何だとー!!!


「カチャッ・・・」


青年は、常に所持している短剣を取り出した。


「憂に嫌われてしまっては、俺に生きる意味は無い・・・」

「おいっ!鳥羽!!」

「まーまー。早まるなって」


「パリッ」


そもそも何で、アンタは、こんな状況でポテチ食べてんのよ。

空気読みなさいよ。


「何も死ぬ事は無いだろー?な?」

「戒生」

「コレ食って元気出せよ!」


「パリッ」


「恭・・・」


こんなヤツらに囲まれて、俺は幸せ者だ・・・!!!


「死ぬなら余所でやってよ」


前言撤回!!!

ここに全く容赦ない娘がいたァァァ!!


「片付け。誰がやると思ってんのよ?」


いやいやいや・・・(汗

問題にするとこ違ってるからねっ!

何、自害前提に話進めちゃってんの!?


「ただ」

「?」


ただ?


「親にもらった命粗末にすんな」


ぬおぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!!!!!?(驚

((燐ちゃんの珍しい発言に、お兄ちゃん達もビックリ♪


「カチャッ」


タイミングがイイのか、悪いのか。

扉が開いた。


「ちーす」


まともな人間が来たようだ。


「いらっしゃい。炸波」

↑勝手に入って来たのに、何故か怒らない人。

「・・・何してんだ?」

鳥羽は泣いてるし。

戒生は慰めてるし。

恭はポテチ食べつつ、慰めてるし・・・。


「んー・・・再教育♪?」


違う・・・!!!!!

そして楽しむな!!


「戒生」

「ん?」


燐に聞くと、何を言うか分からない。

((酷い!!

取りあえず、今、この場を把握してそうな、戒生に話を聞いておくか。


「何があったか。説明してくれないか?」

「あぁ。実は・・・―――――――――」


5分後。


「と、言う訳だ」


鳥羽、お前は思春期の娘に嫌われた父さんか・・・!!

憂もいつまでもガキじゃないぞ!!


「だから丁度イイでしょ?」

「何がだ?」

「自立」

「妹離れ♪」


「パリッ」


「俺はっ・・・俺はなぁ・・・!!」

「鳥羽。全く説得力無いぞ」

「・・・」

「?」

「鳥羽?」

「やはりここは自決・・・!!」


「カチッ・・・」


青年が短剣を取り出した。


「おいっ」

「鳥羽!」

「ちょっ!?ココでやらないでよ!!」


だから問題にする所が違う!!


「ピンポーン♪」


「?」

「あ。多分、憂だ・・・」


遂に話の原因が来てしまったらしい。


「憂!?」

「お前・・・どうすんだよ?丁度迎え来し、帰るか?」

「嫌だ」


え―――――――――・・・っ!?


「アンタ、いい加減ガキみたいなコト言ってんじゃないわよ」

「やだ・ヤダ・矢田」


最後の何だよ!!

「矢田」って何だよ!!?

誰だよ!!


「鳥羽・・・」


全く、コイツはいつまで経っても・・・


「バタバタッ」


「ゲッ!また勝手に上って来やがった」


Let's不法侵入!!

※良い子は真似しないでね♪


「バンッ!」


扉が開いた。

あの厄介者が来たようだ。


あの・・・

ナレーションさん、ずっと言おうと思ってたコトがあるんだけど。


何です?


ナレーションの仕方がかなり他人事ですよね。


他人事ですから♪


「兄上ー!!」


あーぁ・・・

もう知らね。


「憂・・・」

「兄上!こんな所に・・・!!炸波殿も」


「も」って何だよ!?

俺はついでかよ!!


「急に家を飛び出しになられて・・・何かあったんですか?」


何もかも全部、お前が原因だ!!!


「?」


全く、しょうがない兄妹だ・・・


「蒼波さん。蒼波さん。ちょっと・・・」

「む?」


「パタンッ」


少女は厄介者を連れて、自分の部屋へ行った。


「俺はぁぁぁ!!」


「パリパリッ」


「鳥羽。いい加減泣くなよー」

「お前もいい加減、菓子食うの止めろよ」

「ん?炸波も食うか?」

「ノーサンキュー。つーか、さっき飯食ったばっかだろ?」

「うん」


うん。

じゃねーよ!!!

食後から菓子食うヤツなんて、お前ぐらいしか・・・


「コレ、ホント旨いよなー」

「戒生!!!」


身内ぃぃぃ!!!


「ガチャッ・・・」


騒がしいから来たのでしょうか?

少女が頭を抱えながら戻って来ました。


「燐?」

「全く・・・いい加減にしてほしいわ・・・」

「?」

「鳥羽!!!」

「はいっ!!?」


突然、大声で呼ばれたらビックリしますよね。


「ガンッ」


「い゛!?」


蹴ったァァァァァァ!?


「あ・・・ぅ・・・!?」


「カンカンカーン☆」


コング音が鳴り響いた。


「ふぅ・・・」


スッキリした。

※あまりの理由のくだらなさに、ムカついたらしいです♪


「蒼波 鳥羽、戦闘不能!!!五十嵐 燐の勝利!!やっぱ最強ですねー、燐選手♪」

「何言ってんのよ」

「あ゛・・・・・」


で―――――――――――――。


「おーい・・・恭ー?大丈夫かー?」

「うおぉぉぉぉ・・・・・」


はい。

大丈夫で無い事が、ハッキリ分かりました。


「うおぉぉぉ・・・」

((恭くんね。実は、天井から縄で縛られて吊されてるの♪

※危険だから、良い子は絶対に真似しないでね。


「兄上・・・」

「憂」

「あの・・・五月蠅いと言うのは・・・その・・・」

「お・・・おう」


とうとう、この時が来てしまったようだ・・・

((遅いよ。

大きくなったな、憂。

((充分過ぎるくらいにね。


「その・・・兄上の事じゃないのです!!」

「・・・はい?」


え・・・・・?

俺の事じゃない・・・?

俺の事じゃない―――――――――――――!!?


「ドカーンッ!!」


青年が突然、爆発した。

((え・・・?


「鳥羽!?」

「ちょっ!?何で!?どうして爆破すんの!?」

「兄上!!」


「パリパリパリ・・・」


五十嵐 恭。

今回の爆発の犯人。

コッソリ仕込んでいたみたいです。

ところで、何処でそんなもん手に入れたの?


「〜♪」


たーのしーい♪♪♪

((おいおいおいっ(汗


「兄上!!兄上!!」

「う・・・」

「兄上!ご無事で!!」

「・・・なぁ、燐。一体何だったんだよ?」

「何が?」


何が。って・・・

何が。って・・・(涙


「アイツらの喧嘩(?)」

「あー。うん。かなりくだらない」

「いやいやいや・・・そう言うのを聞いているんじゃなくて・・・」

「知ってるわよ」


姉さん!!

分かってるなら言うなよ!!


仕切り直して―――――――――――。


「分かりやすく説明すると・・・」


蒼波さんは、父さんに買ってもらったウォークマンの音量調節をしていたの。

電源を入れたトキ、異様に音量が大きかったのよ。

それを「五月蠅い」って呟いたら、たまたま鳥羽がいて、勝手に飛び出して来たってワケ。


「つ・ま・り!!」


「ガンッ」


少女が青年の頭を床に押し付けた。


「ぐふっ!!?」


床に顔面直撃・・・!!


「ただの勘違い!!ただの思い込み!!そろそろ、くだらないコトでウチに来るのやめてくれない!?」

「・・・」


んー・・・

まー・・・

何と言ったら良いものか・・・(汗


「兄上」

「憂」

「兄上・・・!」

「憂・・・!」

「兄上!」

「憂!」

「兄上!!」

「憂!!」


「ガシッ」


「兄上ー!!」

「憂ー!!」

「帰れェェェェェェェェェ!!!!!」


鳥羽の妹離れは、どうやらまだまだみたいですねw

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