3.コレ、おとぎ話はおとぎ話だけど・・・何か違わない!?〜1
何事もような、雲の少ない晴れの日。
「ガサッガサッ」
二人の少年が押し入れの中を漁っている。
「二人して何してるの?」
「探し物」
「いや・・・それは見れば分かるケド、何を探してる。ってコト」
「絵本だよ。絵本」
「絵本?」
燐ですw
炸波の件も何とか落ち着き、五十嵐に平和(?)が戻りました。
「そうそう。俺らが作ったヤツあっただろ?」
・・・そんなモノ、あったような。
なかったような。
「とにかく、チビん時のヤツ、捨ててないだろ?」
「んー・・・?多分あると思うケド・・・何で?」
「近所のガキにやろうと思ってな」
「海ちゃん?」
「そー」
「あの子、大きくなったもんねー」
「ガサッガサッ」
「ところで、どんな絵本あげるの?」
「えーっと・・・確か、魚・・・?」
「人魚姫?」
「おー・・・確か、そんなようなヤツだったと思う」
「へー」
人魚姫・・・ね。
案外、フツーじゃん。
((案外って・・・(汗
「ガサッ」
「お!あった」
「どれどれ・・・おー♪懐かしー。人面魚」
「!!?」
・・・はい?
「すげー。まだ残ってたんだなー」
「そうだな」
「ゴゴゴゴゴゴゴッ・・・!!」
「燐、どうした・・・?」
例の如く、黒いオーラが出てるぜ、妹よ。
「アンタらッどんな教育を受けてきたのッ!?え゛!?」
「えーっと・・・」
「凄いなー。って、お袋と親父は喜んだぞ」
あぁ゛・・・
ウチの家系、馬鹿ばっかり・・・!!
「とにかく、こんなモノ海ちゃんにあげられるワケないでしょ!!」
「えー・・・?」
「知らないわよ!!こんな教育妨害するモノ、作った方が悪いんでしょ!?」
「まーまー・・・そう言わず読んでみなよ」
「ヤダ」
二文字で断られたっ・・・!!(泣
「なー・・・ちょっとで良いからよー」
「嫌だ。どーせ、ロクなモンじゃないもの」
「・・・燐」
「何よ?」
「自分で言っては何だが、中々いい出来だったハズだ!!」
「自分で言うなァァァ!!しかも「ハズ」って何だよ!?そこまで言っておいて、何で自信なさげなんだよ!!」
恭、成績イイのに日本語変ッ!!
違う意味で馬鹿ッ!!
((ちなみにこう見えても、学年5位ですw
「取りあえず、読んでみろよ」
「全く・・・」
しょうがないなぁ・・・
「えーっと・・・?」
『昔、人面魚と言う魚が居りました☆』
最後の星☆何だよ?
何か、付ける必要あるの?
『ある嵐の日。人面魚は、気を失った(?)死にそうな(?)鮫を嵐の中で見付けました☆』
へぇ・・・
意外と出だしはフツーなんだ。
((あ。鮫はスルーするみたいです。
「ピラッ」
『まぁ・・・♪』
「ちょっと待てェェェ!!」
少女が叫んだ。
「何だよ?変なトコなんて何一つねーだろ?」
「ある!!人魚姫・・・違うっ。人面魚って喋るの!?顔は人間でも、魚でしょ!?何で喋ってんのよッ!?」
「あー・・・それは・・・」
「何?」
「・・・」
「恭」
「ずずずっ・・・」
※良い子はお茶を飲む時、音を立てないで飲んでね♪
「うん。そう言う事だ。うん」
「分かるかァァァァァ!!」
「えー?」
「それに音立てて飲むんじゃないのッ!!」
「うーぃ」
『まぁ・・・♪何ておいしそうなんでしょう!!今晩の晩ご飯ねっ。やっぱり散歩はしてみるものだわ♪』
『と、人面魚は言いました☆』
「・・・戒生兄ぃ」
「何だ?」
人面魚って、鮫食うのかよ。
それに、さっきから最後の星☆何だよ?ナレーションさん。
「・・・流石のあたしも、もー駄目かも」
「え!?そんなにかっ!?」
↑何気にちょっと傷付いた。
『う・・・っ』
『何とびっくり、鮫は意識を取り戻しました☆』
あ。
一応、生きてはいるんだ。
『しかし・・・』
『ドッ』
『ぐふ!?』
『鮫が気が付いたトコを、人面魚は容赦なく刃物で一突☆』
『はんっ。大人しく食材にされなさいよ。全く・・・何、勝手に動いてんのよ。このカス野郎』
人面魚腹黒ッ!!!
((人の事、言えませんよ。
『そして、人面魚は鮫を連れて洞窟へ帰りました☆』
「はぁ・・・」
もー・・・
突っ込み所が多すぎてついていけない・・・
「どーだ?」
何故、満面の笑みで聞く?
自信ないんじゃないのかよ?
「まだ途中」
「そっか♪」
「パリッ」
↑恭は何よりも、お菓子が好きです。
「んー・・・?」
何でそんな誇らしい顔をする・・・?
誰も褒めちゃいないぞ。
馬鹿野郎。
「何よりもまず、登場人物とか、設定がどうかと思う」
「え?」
「いや、何も」
やば。
軽く本音出た。
「とにかく、海ちゃんにこんなのあげられない。分かった?」
それはそうと、もっとまともなモノはないの・・・?
「おいおい。こんなのとは失礼だな」
「?」
聞き慣れぬ声。
その主は・・・―――――――――――――
「なぁ・・・アレって・・・」
「鮫だな」
「鮫ね。何で実在してんだろ。しかも喋ってるし」
世の中、何でもアリだな。
「おいおい。なーに、コソコソしてんだ?まぁ良いや」
あ。
イイんだ・・・(汗
「まずは自己紹介。俺の名は・・・」
「シュッ」
お菓子を食べていた少年が、何かを投げた。
「ガンッ」
「グラぅスっ!?」
((どんな叫び声だよ。
直撃・・・♪
((おいっ。
「と・・・取りあえず聞いてくれ。俺の名は・・・」
「バンッ」
少女が何かを投げた。
「ドスッ」
「くっしょォん!?」
※クッションです。
久し振りの快感・・・っ♪
最近、投げてないんだよねー。
※クッションは投げるモノではありません。
「いじめかゴラァァァ!!自己紹介ぐらいさせろよ!!」
「おぉ!!キレたぞ!!武器を持て!!殺されるぞ!!」
「うぉい!!考え方おかしいだろ!!何で殺されるんだよ!?」
確かに、戒生兄ぃの考え方がおかしいのは一理ある。
「土鍋!?お玉!?何でっ!?つーか、一人凄いのいるし!!」
「ん?」
↑包丁持ってる人。
「ガチャガチャッ」
「何してんだ?」
「何って・・・?だって、鮫でしょ?魚でしょ?食べなきゃ」
「いやいやいや・・・何でそうなるの!?」
「鮫鍋って旨いのかなー?」
↑土鍋持ってる人。
「鮫の卵って初めて食うんだよなぁ・・・」
↑お玉持ってる人。
「キャビアー♪」
世界三大珍味♪
「おいおいおいっ・・・!!ちょっと待てよ!!マジで食うのか!?俺、旨くねーぞ!!」
「そんなの食べてみないと分からないじゃない・・・?」
「・・・はい?」
まさか・・・
「えーっと・・・その・・・」
目が光ってる!!
目が光ってるッ!!!
・・・かくなる上は・・・!!
「ダッッ」
「あ!」
「逃げた!」
「待ちやがれ、鮫!」
「んー・・・」
いや。
つーか、さっきの効果音おかしいでしょ。
「ダッッ」って・・・
足無いでしょ、鮫。
「あ!!玄関から逃げる!!待てェェェ!食材!!」
あ。
恭。やっぱり、アンタの視点はソコなんだ・・・(汗
「ガッ」
よしっ!
これで逃げっ・・・
「バンッッ」
その時、突然、扉が開いた。
「のふ―――――――っ!?」
鮫が容赦なく、扉に弾かれた。
「あ〜ぁ・・・」
来ちゃったよ。
「ガンッ」
「ぐふっ!?」
また踏むし。
この人、来るタイミングはかってんのかな?
「いらっしゃい。蒼波さん」
「ウム」