2.過去を背負う。その運命はいつまで・・・?〜4
「・・・ちっさい」
「何がだ?」
「全部よ。全部」
「?」
全部?
「神無が炸波のせいじゃない。って言ったらそれでイイじゃんか。なーに、いつまでもクヨクヨしてんの?」
「っ・・・お前なぁ、簡単に言うけどな。そんな簡単な問題じゃねーんだよ!」
「そんな面倒くさいモン知るか!!」
「な!?」
遂にハッキリと言い放ったァァァ!!
「・・・そうやって、一人で何でも全部背負い込んで、自分ばっかり可哀相な顔しないでよ」
「!」
みんな、そう。
一人で何でも背負い込んで、自分ばっかり可哀相な顔して・・・
自分には何も無いみたいに・・・
人は、一人では生きてはゆけない。
炸波は知らないだけ。
だって、炸波はいつも・・・―――――――――――――――
「グラッ・・・」
「!?」
地面が揺れ・・・!?
「ドサッ」
「っー・・・ッいったー」
↑石壇から落ちた人。
「・・・何してんだ」
「五月蠅い!ってか・・・今の何?地震?」
「さぁな」
「うっわ・・・何かムカつく言い方」
「とにかく、ここから出るぞ」
嫌な予感がする・・・――――――――――
「ガラッ」
岩が・・・!!
「燐!!」
「へ・・・?」
「ガラガラガラッ」
人は、一人では生きてはゆけない。
だから、人は支えあって生きている。
そんなハズ無い。と、思っていても、自分の知らない何処かで、人は支えあっている・・・
「・・・炸波、どうすんの?」
「いや・・・どうもこうもねーだろ」
炸波が引っ張ってくれたおかげで、何とか下敷きにならなくてすんだけど・・・
「閉じ込められたら意味ないじゃん」
「なぁッ!?下敷きになるよりはマシだろッ!!」
「・・・」
「?」
「はぁ・・・」
「何だよ?」
「何か他に助け方ないの?」
「ッるせーなぁ!!」
↑自分でもちょっと思った。
過去の罪は、永遠に背負って生きてゆかなければならない。
それは、決して消え去る事はない。
それが罪を犯した罰だから・・・―――――――――――
「ガラガラッ」
「やっぱり難しいねー。完璧に塞がれてる」
「・・・そうだな」
「?」
「どーしたの?」
「別に」
何もかも背負い込んでる。か・・・
確かにそうかもな。
「ガラッ」
「そういえば、蒼波さんと鳥羽には何も言ってないの?」
「・・・これは俺の問題だ。俺が犯した罪。俺が背負わなくてはならない。アイツらは関係無いんだ」
「!」
「だから・・・」
「ドオッ」
「!?」
少年の顔を何かがかすった。
「・・・はい?」
今、岩投げ・・・!?
「ゴゴゴゴゴゴ・・・ッ!!」
「えーっと・・・?」
オーラが・・・!!
何か、黒いオーラが出てる・・・ッ!!
「・・・い」
「?」
「え?」
「うっとうしいッ!!」
はい・・・・・?
「ガラガラッ!!」
「何よッ!!一人で抱え込んじゃってさッ!!そんなにあたしら頼りない!?」
「ガンガンッ」
「ドカッ」
「ガラガラッ」
「何、一人でクヨクヨしてんのさッ!そのコトで悩んでんのは、アンタだけじゃないんだからねッ!!蒼波さんと鳥羽も、関係無いワケないでしょーッ!!」
「ガラガラッ・・・」
「はぁ・・・はぁ・・・」
「・・・」
呆気。
((ま。当たり前ですよね。
「・・・あたしには分かるよ。最期に神無が言ったコトの意味」
「!」
「え・・・?」
血の繋がり、一族としての繋がりなんて、本当は関係無い。
本当に大切なモノ、それは別にある。
「教えてあげても良いケド、それじゃー意味ないでしょ?」
「?」
「答えは炸波が自分で見付けなきゃね」
「・・・あぁ」
俺が・・・
自分で・・・
「キーィ!!」
聞き慣れた鳥の鳴き声。
「来たね」
「!」
え・・・・?
「燐!!」
「戒生兄ぃ」
「大丈夫か?」
「何が?」
「何が?って・・・」
兄ちゃん心配したのに、そりゃーないよ。
妹よ・・・(泣
((だから何を?
「それにしても・・・鳥羽!!」
「ん?」
「アンタ悪趣味ね。鳥に尾行させるんじゃないわよ」
「鳥使いだからな」
あぁ・・・
そうですか・・・
「炸波殿!!」
「・・・憂」
「炸波殿・・・その・・・すまぬ。どうしても気になって・・・」
「良いんだ」
「しかし・・・!!」
「もう良いんだ」
「炸波殿・・・」
「カッカッカッ」
今度は、棒付きキャンディーを食べながら(?)少年はやってきた。
((菓子好きですね。それとも、ただ腹が減ってるだけなのか・・・(汗
「しっかし・・・ボッコボコで崩れかけてんなー。崩れてるトコあるし・・・何してたんだ?」
「恭」
「地震。そっちも揺れたでしょ?」
「?」
「地震?」
「??」
「え・・・・・?」
「???」
「・・・揺れてないのか?」
「あぁ」
え――――――――――っ!?
「どーゆーコト!?炸波!?」
「・・・知らね」
「はぁ!?」
己の犯した罪は一生消える事はない。
時には、死ぬまでその罪に縛られるだろう。
しかしまた、その逆もしかり。
一週間後・・・――――――――――
その少年は洞窟の中にいた。
「・・・」
あの後、鳥羽が言った。
「一人で背負おうとするな」
って・・・・・
「やっぱりー・・・また居るし」
「・・・おぉ」
噂をすれば。
「・・・燐」
「んー?」
「その・・・・」
「何?」
「・・・ありがとう」
「・・・大丈夫?熱ない?」
「ねーよ!!」
「いや・・・その・・・炸波がそんなコト言うなんて珍しいから」
普段、俺をどう見てたんだ!?
「・・・」
「?」
「何だよ?」
「んー・・・何かあった?」
「まぁ・・・な」
何でもお見通し。
ってヤツか・・・
「鳥羽が一人で何もかも背負うな。っさ」
一番近い人間だから、言いにくい事もあるのにな。
「ってコトは、仲直りしたんだ」
「そうなるな」
「良かったじゃん」
満面の笑みで言うなっ・・・!!
↑何故か弱いらしいです。
青春だね。コンチクショー!!(黙
「んじゃ、帰ります♪」
「はぁ?」
「え・・・だって、それ聞く為に来たようなものだから」
↑時間は有効に使いたい人。
「おーぃ」
「炸波殿!」
「!」
「鳥羽、蒼波さん」
「ん。燐も一緒であったか」
「えぇ・・・まぁ・・・」
「丁度良い。飯食ってけ」
「わーい」
「タッッ」
あの時、神無が言った言葉。
ハッキリとではないけれど、今なら何となくその意味が、分かる気がする。
「炸波ー。早くー」
「飯抜くぞー」
「炸波殿」
「おぅ」
血の繋がりなんて、もう気にしない。
「タッタッ・・・」
だって、こんなにも心が繋がっているから――――――――――
オマケ↓
「そういえば、前の地震って何だったんだろう?」
「・・・知らね」
「えーっと・・・今の間は何?」
「・・・別に。何でもねーよ」
「・・・っ」
コイツ・・・!!!
「・・・♪」
流石に、神無の仕業。
なんて言えませんよね・・・?
あの悪戯っ子め・・・!!
『あ。やっぱりバレてた?だって、つまらなかったんだモノ♪』