2.過去を背負う。その運命はいつまで・・・?〜2
10年前―――――――――――――
蒼波は犬猿の仲であった、紅一族との戦争がとうとう始まってしまった。
子供たちは戦火から逃れる為、深い森の中や洞窟に逃げ隠れていた。
「炸波ー。飯ー!!」
蒼波 神無
当時14歳
「おー・・・」
相模 炸波
当時6歳
「げぇ・・・また雑炊かよ」
「ッんだと、ガキ・・・!!嫌なら食うなよ」
「嫌とは言ってねーじゃん」
「炸波。好き嫌いするなよ。こんな時だから仕方が無いんだ」
蒼波 鳥羽
当時11歳
「へいへい」
「好き嫌いがあるなんて・・・。炸波殿も、まだまだ子供ですね」
蒼波 憂
当時8歳
「8歳に言われたくねーよ!!」
「2年の差は大きいぞ」
「・・・」
絶句。
((8歳なのに凄いこと言うね
「パチパチッ・・・」
暗い洞窟の中で炎が燃えている。
「ス――――――――――ッ・・・」
よく寝てんなぁ・・・(汗
「・・・なぁ、神無」
「何だ?」
「いつまで戦争が続くんだろうな・・・」
「・・・今は誰にも分からないさ」
「そういえば・・・そもそも何で戦争が始まったんだ?」
「・・・もう遅い。はやく寝な」
「・・・あぁ」
戦争の理由。
神無は決して教えてはくれなかった。
その最期のときまで・・・―――――――――
「ドォ――――――――ンッ」
「!?」
爆発音。
一瞬、地震が来たのかと思ったほどだった。
「ッ!?」
「何の音だッ!?」
「・・・近いな」
「姉上・・・」
「大丈夫だ」
そして、長い沈黙。
あの時の答えは、いろいろ考えた末の結果だったんだろう・・・
「鳥羽」
「はい」
「二人を連れて、五十嵐んトコ行きな。滝の裏に通路がある」
「!?」
「しかし・・・!!」
「行け」
「神無!!お前はどうすんだよ!!?」
「どうするって・・・分かるでしょ?」
「だって相手は・・・!!」
「全滅するよりはマシでしょ?」
全滅・・・。
「心配すんな。大丈夫だ」
「神無!!」
「っさいなぁ・・・」
「ドッッ」
「ぐッ・・・!?」
完璧に不意をつかれた攻撃だった。
「ドサッ」
少年は気を失った。
「全く・・・これぐらいの攻撃で何、気ぃ失ってんだか・・・」
「炸波殿・・・」
「さて・・・と。鳥羽」
「はい」
「あと、お願いね」
「・・・わかった」
「兄上!!」
「行くぞ、憂」
「・・・はい」
「ダッッ」
それが俺ら二人にとって、神無との最後の会話だったんだ。
「・・・」
あたしの知らないトコで、そんなコトがあったんだ・・・
「神無は身代わりになったのか・・・」
「そうだ」
「・・・」
「ガタッ」
少女が席を立った。
「?」
「燐?」
「あたし、こーゆー湿っぽい話ニガテなんだよね・・・ちょっと出掛けて来るわ」
「わかった」
「パタンッ・・・」
「戒生」
「気にすんな」
「・・・そうか」
「鳥羽、続き」
「・・・あぁ」
神無が迎撃をしている、その頃、滝の裏の洞窟では―――――――――
「はぁ・・・はぁ・・・」
「兄上。大丈夫ですか?」
「あぁ・・・」
「ドサッ」
「ふぅ・・・」
炸波のヤツ、いつの間にこんなにデカくなったんだ・・・?
「シュゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥ・・・」
「?」
霧・・・?
何でこんな洞窟で・・・?
「兄上・・・!!」
「ん?」
この時、俺は自分の目を疑った。
俺が振り向いたとき、そこには・・・―――――――――
炸波はいなかった。
「いなかったぁ!?」
「どういう事だよ?」
「元々、炸波殿が属している相模一族は幻術を得意とする一族だったのだ」
「ま―――――――――――・・・」
嘘くせぇ・・・
「戒生、何だ。その目は・・・?」
「いや、何も」
「本当の事なのだぞ」
「へぇぇぇぇぇぇぇぇ・・・」
「貴様、何かムカつくのぉ・・・」
「・・・」
わぁい♪
火花が散ってるよ♪♪
「戒生。恭」
「ん?」
「あ?」
↑ガラ悪ッ!!
「お前らも五十嵐の血を引いてんだ。信じられない事ではないだろう・・・?」
「・・・まぁな」