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王都ラストアラーゼ

 おれ達はラストア王国の中心、王都ラストアラーゼへ到着した。


 中に入るまで大変だった。

 門に長蛇の列が出来ていたのだ。


 やはり、王都となると訪れる者も多いらしい。

 おそらく街の規模も西方都市ラースの二倍はあるんじゃないだろうか。

 街中も活気にあふれていて、出店や歩く人の数も多い。


「くんくん。いい匂い」


「ちょ、フェミリアどこに行くんだ!?」


 なにやらユースケが騒がしい。

 フェミリアが出店の匂いに釣られたらしい。


「ユースケ、これ買って」


「はぁ、仕方ないなぁ!」


 結局ユースケがフェミリアに、出店の食べ物を買ってやる事になったようだ。

 まぁ、奴隷のフェミリアは金なんか持っていないしな。


 だが、どこかユースケも嬉しそうだ。

 意気揚々と金を取り出している。

 相変わらずおかしな奴だ。


 そんなこんなでおれ達は、商人の先導で王都の冒険者ギルドに到着した。


「着きましたね。では、依頼達成の報告をするので、どなたか一緒にいらしてください」


「おれが行こう」


「あ、おれも行く! 王都の冒険者ギルドも見てみたいし」


「ご主人様が行くならフェミリアも行く」


 結局おれ達は、全員で冒険者ギルドへ入る事にした。


 建物自体も大きかったが、中へ入ってみると、ずいぶんとラースの冒険者ギルドとは違う印象を受ける。


 まず、当然だが、広い。

 そして、清潔感がある。

 ラースの冒険者ギルドは、少しゴミゴミした印象があったから意外だ。


 併設されている酒場も、酒場というよりどちらかというと、少しオシャレな飲食店のようだ。

 昼間から飲んだくれてる親父共もいない。


 なにより、全体的に見て年齢層が低い。

 ギルドにいるのはおれやユースケと同年代だと思われる、少年少女ばかりだ。


 そう、ラースの冒険者ギルドでは、女冒険者は見かけなかったが、このギルドには少なくない数の少女たちがいる。


「うっひょー! 美少女冒険者だよ!! パーティ組んでくれないかな!?」


「ご主人様、不潔」


 ユースケがはしゃいでいる。

 いつの日か、ハーレムパーティ作るとか言ってたからな。

 女冒険者を見て興奮しているのだろう。


 だがまさか、本当にパーティを組まないだろうな!?

 おれ達の目標は迷宮都市コサイムだという事を忘れてもらっては困る。


 王都周辺なんて、雑魚しかいないらしいからな。

 ここで活動しても、意味がないだろう。


 そう、それこそがこのギルドにいる冒険者の年齢層が低い理由だろう。

 駆け出しばかりなのだ。


 王都周辺はラース以上に安全で、出てくる魔物も小鬼(ゴブリン)角兎(ホーンラビット)といった五等級向けの魔物ばかりだ。

 豚鬼(オーク)すら見かけないらしい。


 その分安全で、肉は牧場で飼育されている動物の肉が出回っているようだ。

 ラースではオークが出没したから、オーク肉が出回っていたが、街が違うと食べる物も違うんだな。


 動物の肉なんて故郷の田舎で、猟師が取ってきた野生動物のものしか食べた事がない。

 飼育されている動物だと、味も違うのだろうか?

 オークの肉とどちらが美味いかも気になるな。


「こんにちは。護衛依頼を出していた者です。依頼達成の報告に参りました」


 おっと、考え事してる場合じゃなかった。

 今は依頼達成の報告をして、報酬を貰わないとな。

 肉の味についての疑問は、夕食の時までとっておくか。

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