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適性

 だいぶ話がそれてしまったが、話を戻すと魔術を使うには魔力を扱わなければいけない。

 と言ってもおれは魔力なるものが分からない。

 そこで親父殿に魔力を直接おれの体に流してもらったが、なんだか暖かい感じがする。


「どうだアル。これが魔力だ。それを自分の中から見つけるんだ」


 そう言われておれは自分の体内に意識を向けると、先ほどまでは感じられなかったものが僅かに体の中にあるのに気付いた。


「これが魔力……」


「その力を手のひらから出すように意識しながら、火種を想像しろ。そして呪文を唱えながら魔術を発動するんだ。呪文は自分のイメージに沿うものならなんでもいい。ようは想像力次第だ。」


 イメージだとか想像力次第だとかかなり大雑把だな。

 だが、とりあえずやってみよう。


(ファイヤ)!」


 手のひらを明後日の方に向けてそう唱えると、手から数センチ離れた所に魔法陣らしきものが浮かび、そこにふよふよと小さな種火が浮かんだ。


「それが火属性の生活魔法、種火だ。他の属性の生活魔術もやってみろ」


 そう言われておれは水属性の(ウォーター)、土属性の(アース)、風属性の(ウィンド)をそれぞれ使ってみた。


「うむ。ちゃんと出来ておるな。さて、アル。今使った中で一番自分に馴染むのはどれだ?」


 一番自分に馴染むもの……。

 そう言われても特に思い当たるものはない。


「特になかったのだが……」


「なに!? なら光か闇か……。よし、光と闇の初級魔術を教えるから使ってみろ」


 親父殿に光属性の初級魔術光球(ライトボール)と闇属性の初級魔術闇球(ダークボール)を教えてもらい使ってみたところ、光属性の光球(ライトボール)の時になんだか使いやすいというか、しっくり馴染む感覚があった。


「光属性がなんだかしっくりくる感じがする」


「そうか、光属性の適正とはアルはファーニに似たか。よかったな。これで剣術の特訓で倒れても治癒の魔術で続けられるぞ!」


「え、これからは魔術の特訓をするんじゃ……」


「なに言ってる? フォングラウス家は剣の一族! 魔術なんて生活魔術さえ覚えればいい!! 治癒魔術だけは母さんに教えてもらえ! これからは前より厳しくいくぞ!」


 く、魔術を教えてもらえると思ったのにこれだけとは。

 そういえば"身体強化"や"スラッシュ"なる魔術は一体!?


「親父殿、"身体強化"や"スラッシュ"なる魔術は教えてくれないのか?」


「あぁ、それらは正確には魔術ではない。魔力をそのまま体中に巡らせたり、剣から飛ばしたりする技だ」


「魔力をそのまま……?」


「あぁ、だからそれを意識しながら稽古しろ。なに、心配するな。みっちり稽古すれば攻撃魔術なんか使えなくてもそんなの屁でもないくらいに強くなれる。魔術なんか斬ってから一人前だ。十五までにはそのくらい出来るようになれよ? お前も剣の一族ならな!」


 魔術を剣で斬る?そんなことが可能なのか?

 確かに魔術が普及した世界で剣の一族だなんておかしいとは思っていたが、どうやら我が家はとことん脳筋らしい。


「よし、それじゃあこれから毎日殺す気で稽古つけるから死ぬなよ?」


 え?ははは……

 乾いた笑いしかでねぇわ。

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