表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
70/125

 守備隊の制止を振り切り、おれとユースケはゴブリンの集団に向けて駆けだした。


 日中相対した時程ではないが、かなり数がいるな。

 時間が経てば経つ程、この数は増えるだろう。

 今も外からゴブリンが、門を通り抜けて街へ入ってきているはずだ。


 だが、こいつらを一匹一匹相手している時間はない。


「ユースケ! サンドリザードを倒した時の、風魔術を頼む!」


「了解! おれの見せ場だな! くらえ! 鋭利な風(トルネードカッター)!」


 鋭い切れ味を伴った旋風が、ゴブリンの集団に襲い掛かる。

 サンドリザードと違って比較的軽めなゴブリン達は、襲い来る風に耐え切れず宙を舞う。


 これで道が開けた。

 遠目に大柄な黒黒としたゴブリンが見える。

 あいつを倒しさえすれば……


 だが、そう簡単にはいかないらしい。

 走り抜けるおれたちに、幾重もの魔術が飛んできた。


「っ!? 光の壁(ライトシ-ルド)!」


 複数のゴブリンマジシャンから放たれた魔術を、おれは光属性中級魔術の光の壁(ライトシ-ルド)で防ぐ。

 幸い、ゴブリンマジシャンが使った魔術は初級魔術ばかりだったので、なんとか持ちこたえられた。


氷投槍(アイスジャベリン)!」


 すかさずユースケが魔術を使う。

 その魔術はゴブリンマジシャン一匹を貫いた。


 これでゴブリンマジシャンはあと二匹か。

 おれは、剣に魔力を纏わせそれを飛ばす。


魔剣斬(スラッシュ)!」


 魔力の刃はゴブリンマジシャンを二つに切り裂いた。

 これであと一匹!


 その残り一匹のゴブリンマジシャンが、魔術を放つ。

 水球(ウォーターボール)の魔術だ。


火球(ファイヤボール)!」


 ユースケが火球(ファイヤボール)の魔術を使った。

 水球(ウォーターボール)火球(ファイヤボール)がぶつかり、爆発を起こす。


 辺りに水蒸気が蔓延して、視界が閉ざされた中、おれは記憶にあるゴブリンマジシャンの位置へ駆け寄った。


「ギギ!」


「死ねっ!」


 そして、接近してそいつが見えた時、おれは剣を縦に振るい頭を勝ち割った。


「ふぅ……」


 特に苦戦する事なく倒せたが、時間を取られてしまった。


 先程、両側からゴブリンの集団が迫るのが見えた。

 このままでは囲まれてしまうだろう。


 ここは引くべきか?

 いや、引いても意味がない。


 ならここは、雑魚を足止めしてその間に敵の大将を討つ。

 都合よく水蒸気が満ち溢れてるしな。


ウィーズー・(水よ)リフザー(凍れ)!』


 魔法により大気中の水分を操作し、ゴブリンキングへの道を残し、地面を凍り付かせる。


 おれらに突撃しようとしていたゴブリン共は、滑って地面を転げまわっている。

 どうやら成功のようだ。


「ユースケ! 今のうちだ!」


 おれは前に立ち塞がるゴブリンを斬り捨てながら進む。


 おれの剣の範囲外にいるゴブリンには、魔術が飛んでくる。

 ユースケも後ろから付いてきているようだ。


 そうしておれらはついにたどり着いた。


 同族がやられようと動じる様子を見せないそいつ、ゴブリンキングの元まで。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ