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ユニークスキル

 さて、レベルはだんだん上がりにくくなるという事だが、スキルに関してはまだ話に続きがあるらしい。


「それと、どうやら向き不向きもあるらしくてな。おれは魔術師向きみたいだから、初級魔術は一つの技につき一ポイント。中級魔術は前提として、その属性の初級魔術を覚えてる必要があるんだが、一つの技につき三ポイント。だけど、剣術のスキルを取ろうとしたら、一番ポイントが少ない、たいして役に立たなそうなものでも十ポイントいるんだ」


 十ポイントか。それはきつそうだ。

 おそらくユースケに剣術は向いていないのだろう。


「それに、これは最近実感してきた事なんだが、スキルを取ったからって、すぐに強くなるという訳じゃないみたいなんだ。ただ、新しい技が使えるようになるだけだ。アルと一緒に戦ってみて、身のこなし方とか、そういうもの大事だと思ったんだ。だけどそういうのはスキルにはない。自分で努力して身に着けるしかないんだ」


「そうか。確かにそれじゃ、スキルだけで強くなるのは難しそうだな」


「だろ? おれもそのうち特訓しなきゃな」


 いいぞユースケ。修業は大切だ。

 おれも散々修行して、今の自分がある。

 努力する事は良い事だ。


 ところでまだ、ユニークスキルとやらの説明はされていないな。


「ユースケ、ユニークスキルというものは、どういうものなんだ?」


「あぁ、ユニークスキルかぁ。おれのユニークスキルはアイテムボックスって言って、まぁ、アイテムバッグみたいなもんだな。本当は魔道具じゃなくて、ただの袋なんだ、これ」


 そう言ってユースケは、腰にぶら下げた袋をヒラヒラと振る。


「本当はユニークスキルのアイテムボックスで収納してるんだ。ただ、それだと見られた時いちいちスキルの説明をしなきゃならないだろ? だから、この袋をアイテムバッグって偽っているんだ」


 そうだったのか。

 確かに知らない人間が見たら、不思議に思うだろうな。


 おれだって最初は驚いた。

 まぁ、おれの場合アイテムバッグの存在も知らなかったんだけどな……って、あああぁーーー!?


「なんてこった……」


 ユースケが持っているのが、アイテムバッグじゃなくてスキルなのなら、売り払う事が出来ないじゃないか……


 なんてこった。

 担保なしに大金貨五十枚も貸したのかおれは……


「どうしたんだ、アル?」


「いや、なんでもない……。ちょっと後悔してるだけさ……」


 時を戻す魔法を使って、過去の自分に警告しようか?

 まぁ、そんな事をしたら死んでしまうが。

 ハハハ……

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