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手数料

 アイテムバッグの取引が終わり、部屋から出たおれ達は、ユースケが落札した獣人奴隷の取引のため、別の部屋に向かうことになった。


「あ、アルさん! ギルドの手数料の大金貨十七枚を頂いてもいいですか?」


 そういえばギルドには一割手数料を納めなければいけなかったな。

 エリスは落札金額の確認のためにオークションに赴いたのだろう。


 もし、おれがオークションに参加しなかったらどうしたのだろうか。

 まぁ、その場合は代理でエリスが取引をして、おれはギルドで金を受け取る事になるか。


 そう考えると大金貨百七十枚を持って歩くエリスは、いくらラースの治安がいいからって危ないな。

 まぁ、その時は誰か護衛が付くか。


 おれが参加する事にしたから、エリスは一人で来たのだろう。

 大金貨十七枚なら、小袋に入るからそんなに目立たないしな。


 特に意味もなくそんな事を考えながら、おれは袋から大金貨十七枚を抜き取ってエリスに渡した。

 それを受け取ったエリスは大事そうに数えてから小袋にしまった。


「よかったなエリス。これでボーナスで大金貨一枚と金貨七枚が出るんだろ?」


「はい! アルさんのおかげです! これで欲しかったアクセサリーやお洋服が買えますし、ギルドへの貢献にもなります。今度の昇給審査が楽しみですよ」


「そうか。それはよかったな」


 嬉しそうなエリスとはここで別れ、職員に案内されてさっきの部屋と似通った部屋へ入った。

 着席を促されるが、今度はユースケの取引だし、おれは立っておくか。


「初めまして。ユウスケ・フジキです。」


「どうも初めまして。奴隷商会を経営しているバルドゥーと申します。この度は当商会の奴隷をご購入いただき誠にありがとうございます。いやはや、珍しい獣人の女奴隷でしたが、まさか大金貨五十枚にもなるとは驚きましたよ。」


 そこからなにやら話していたが、おれはあまり興味がないので考え事をしていた。


 ユースケは奴隷を買ってどうするつもりなのだろう。

 いや、ハーレムを作りたいというのは分かっているが。


 ユースケは冒険者なのだし、奴隷も冒険者にしてパーティを組むつもりなのか?

 だが奴隷は物扱いなので、冒険者登録は出来ないはずだ。


 だから仮に、おれとユースケと獣人奴隷でパーティを組んでも、報酬はおれとユースケの二人で分ける事になる。

 それが一般的なはずだ。もちろん中には話し合って、奴隷も報酬の頭数に数えるパーティもいるとは思うが。


 だが普通は、奴隷持ちは他の冒険者と組まず、奴隷とだけパーティを組む。

 その方が効率がいいからだ。

 他の冒険者と奴隷を含めてパーティを組めば、奴隷の分だけ損をする事になる。


 ユースケはおれから借金をしているから、返済するまでは行動を共にするはずだ。

 その時に報酬の事で揉めなければいいが。


 ユースケはその辺の事、分かっているのかね。

 場合によってはおれが譲歩しなければいけないかもしれないな。

 はぁ……。

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