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ランクアップ

 まぁいつまでも後悔してても仕方ない。

 まだ昼を過ぎた頃だが素材を剥ぎ取って帰ろう。

 昼飯も用意してなかったしな。


 そういや夕方には冒険者ギルドの酒場は人で埋まってるな。

 だいたい朝から行動して夕方には仕事が終わっているというのが一般的なんだろう。

 おれも今から解体して帰路に着いたとしても、ギルドに到着する頃には夕方近くなっているから丁度いいのだろう。


 鼻と魔石を剥ぎ取り、残りは悪魔共に与える。


「よし、お前らこの死体は食っていいぞ。最初の一体は肉を剥ぎ取っちまったから、三匹分の死体を皆で平等に分け合うように。よし、食え!」


「ミャー!」「ワオン!」「クァー!」


 三体は嬉しそうに鳴き、死体を貪り食う。

 たまに動物のものと思えない、牙が異様に生えたでかい口になっていたりするが、あれこそが悪魔の本質だ。

 擬態が解けているのだろう。


 そんな悪魔たちを見ていると腹が減ってきた。

 おれも早く帰って飯にありつきたいものだ。




          ◆◆◆




 悪魔たちを送還して冒険者ギルドへ向かう途中、おれはあまりに腹が減りすぎて、屋台で買い食いをしていた。


「うおっ。うめーなこの串焼き。なんの肉を使っているんだ?」


「そうだろ兄ちゃん、うめーだろ! それはオークの肉を使ってるんだぜ」


 これがオークの肉か。

 確かに常時依頼になるだけの事はあるな。

 これなら悪魔たちにやる前に、自分で焼いて食ってもよかったかもしれない。

 もったいない事をした。


 オークの串焼きに舌鼓を打ちつつ、冒険者ギルドへやってきた。

 今日も酒場は賑わっているな。

 おれが入ってきても、昨日のように静まり返る事はなかったが、なにやらヒソヒソと噂している。


 そんな事は気にせず、今日もまたエリスの所に並ぶ。

 なんというか、他のカウンターの所に並ぼうとすると、受付嬢が怯えた顔をするんだよな。

 初日の魔法で脅かしてしまったせいだろうが、おれは何もなく魔法を使ったりしないから怯えることないんだが。


「オークを討伐してきた」


「本当に討伐してきたんですね……。それも三匹も」


「あぁ、肉は一匹分しか持って帰ってこれなかったがな。これでランクアップ出来るか?」


「はい。冒険者証のメダルをお渡しください」


 木製の冒険者証をペンダントから外して渡すと、エリスは奥へ行き、鉄製の黒光りしている新たな冒険者証を持って戻ってきた。


「これが四等級の冒険者証になります」


「ありがとう」


 さっそくペンダントに付けてみる。

 木枠のペンダントに鉄のメダルだからか少し変な感じがするな。

 思い切ってペンダントも買い替えてみるか?


 おれは新しくなった新たな冒険者証を眺めながらそんな事を考えていた。

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