上位種
「オークきた。数は五。なんだかさっきまでと違う」
フェミリアの報告に、おれ達は戦闘態勢に入る。
連携について話し合ってから、何度かオークと戦闘があったが、おれ達はとりあえずは順調に進んでいた。
悪魔達を前衛に使うという手が上手くいったのだ。
おれが使役する悪魔はまだ下級の小悪魔なので、単独でオークを倒すのは難しいが、けん制くらいは出来るのだ。
その隙にユースケとエリーが魔術を放って仕留めている。
このまま順調にいくかと思われた矢先、毛色が違うオークが現れた。
先程まで戦っていたオークとは違い、一回り程大きく、魔物のくせに革の防具まで着けている。
手に持つ鉈も、その体格に合わせるように大きめだ。
「ハイオークか……」
おそらく、オークの上位種のハイオークだろう。
上位種とだけあって、オークよりも強いはずだ。
「気をつけろ! こいつらは全員上位種だ! さっきまで戦っていたオークと同じだと思って相手すると、怪我をするぞ!」
おれは仲間に注意を促し、剣を構えた。
「フェミリアも無理はするな! 倒せないと思ったらけん制に努めろ! こっちを始末したら応援に行く!」
「了解」
「氷投槍!」
「雷撃!」
おれが一匹のハイオークを迎え撃とうとした時、後衛の二人の魔術が炸裂した。
目の前の敵に隙を見せないように気をつけながら、横目で確認すると、一匹のハイオークは黒焦げになって倒れていたが、ユースケの魔術が当たったであろうもう一匹は、血を流しこそすれまだ生きていて、ユースケ達へ向かって走っていた。
「ユースケ! 土束縛を使え! 攻撃魔術は敵の動きを封じてからだ!」
おれはハイオークを斬りつけながら指示を出す。
ちっ、防具のせいで攻撃の通りが悪い。
脂肪で覆われていて首元も狙いにくいし、厄介な敵だ。
「魔剣斬!」
おれは魔力を飛ばすのではなく、剣に纏わりつかせたまま強引に首を斬り裂いた。
ハイオークの首が飛んでいくのを確認したおれは、仲間達を見渡した。
ユースケ達の方は、どうにかなりそうだな。
ハイオークの足元に土の鎖が巻き付いている。
あとは魔術で狙い撃ちにするだけだろう。
フェミリアの方は……苦戦しているな。
流血の短剣で、いたるところを血まみれにしているが、決定打にはなりそうにない。
おれは回り込むようにフェミリアが相手しているハイオークの背後に立ち、頭を剣でカチ割った。
「はぁはぁ……ありがとう……」
フェミリアが息切れしながら礼を告げてくる。
やはり苦戦していたようだ。
「礼はいい。仲間だからな。どうやらあっちも終わったようだし、ここいらで休憩にするか」
ユースケ達の方もハイオークを倒し終わっていた。
彼らにも休憩を告げ、おれ達は一休みする事にした。




