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前衛

 オークとの戦いの後、おれ達は連携について話し合った。

 だが、通路などの狭い空間ならまだしも、開けた空間での対多数の対処法の結論は出なかった。

 やはり、前衛が足りないのだ。


 ユースケが接近戦のスキルを獲得するという話も出たが、ポイントの効率が良くないので、その話は却下となった。


 その際、エリーにユースケとおれの転生についての事情を話した事で時間がとられた。

 素直に信じてくれるか微妙な思いだったが、エリーは呆気ないほど簡単に受け入れた。


 なんでも、勇者が召喚された事について知っているから受け入れられたそうだ。

 だが、おれが転生した事については半信半疑といった様子だ。

 

 まぁ、別に信じて貰う必要はないからいいが。

 少し寂しい気がするけどな。


 ちなみにフェミリアにはユースケが事前に話していた。

 こちらは興味がないようなので、信じているのかどうか分からない。


 話を戻そう。

 前衛不足について、当面はおれの悪魔を当てる事で対処する事になった。


 根本的な解決には至っていないが、ここで話して人数が増える訳ではないし仕方ない。


「地上に戻ったら誰かパーティに勧誘するか……」


「そんな!? 私が入ったばかりではありませんか!? 私では力不足ということですか!?」


「いや、そういう訳じゃない。エリーは十分後衛として役に立っている。ただ後衛が増えた分、前衛も増やしてバランスを取りたいというか……」


「私が入ったことで迷惑になっているんですわね……」


「そういう事じゃない。通路みたいな狭い場所なら今のままでもいいが、ここみたいな開けた場所だと回り込まれる危険性があるからであって……」


 あぁ、もう!

 散々説明した事なのに、なんでそう受け取るか……


「でもよう、そう都合よく誘えるソロの前衛なんているか?」


「そうだな……おれ達はこの街に来たばかりで知り合いもいないしな。見つけるのは大変そうだな……」


「ならさ、奴隷を買うってのはどうだ? それなら金さえあれば解決するだろ?」


 奴隷か。

 確かにそれなら前衛職の者もすぐに見つかるかもしれない。


 だがユースケ、お前はそれでいいのか?

 奴隷も人間だーって散々言っていたが、構わないのだろうか?


 まぁ、フェミリアをオークションで落札してるし、今更か。


「そうだな。一度奴隷商を覗いてみるか」


「アル様、女奴隷はダメですわよ!」


「あぁ、分かっている。欲しいのは壁役だからな。男の奴隷にするさ」


「そういう意味で言ったのではないのですが……」


「えー!? 可愛いくて壁役も務めれる女の子がいるかもしれないじゃんかよー! 姫騎士とかさー!」


「お前は馬鹿か。そうそう騎士もお姫様も奴隷になってたまるかよ」


 奴隷とは金がないか、犯罪を犯した者か、捕らえられた亜人がなるものだ。

 騎士だの姫だのが奴隷になる事など、絶対とは言えないが、まずないだろう。


「買うのは男の奴隷だ。分かったな? この話は終わりだ。そろそろ行くぞ!」


 不満げなユースケに言い聞かせ、おれ達は探索を再開した。

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