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 気を取り直して六階層の探索を進めていこう。

 と言っても、通路ではなく一面に広がる草原だから、どう進めばいいか考えてしまうが。


「あ、オークだ」


 ユースケの視線の先を見ると、確かにオークがいた。

 いや、現れたと言った方がいいか。


 先程までそこにオークはいなかった。

 だが、光と共に現れたのだ。


 これは、転移か?

 迷宮の魔物は転移でどこかから送られてきているという事だろうか。


氷投槍(アイスジャベリン)!」


 考察をしている間に、ユースケが魔術で倒してしまった。

 まぁ、一匹だけだったし、こんなものか。


「さて、これからどうするべきか……」


「適当に進んでみたらどうだ?」


 目印となるものが無い以上、ユースケの意見も一理ある。

 だが、本当にそれでいいのだろうか?


「アル様、私、前にパーティを組んでいた時に聞いたことがありますわ。六階層は部屋の中心に転移魔法陣があると」


 部屋の中心か。

 エリーの聞いた話が本当なら、部屋とはこの草原自体の事だろうか。


 つまり、草原の中心に転移魔法陣があるという事だ。

 問題は、中心の方向が分からないという事だ。


「アル、ここに壁ある」


 振り返ってみるとフェミリアがなにかしていた。

 何もない空間に手を当てている。


「本当だ! アル、ここに壁があるぜ! たぶんおれ達がいるのは部屋の端なんじゃねぇの?」


 ユースケもフェミリアと同じように、何もない場所に手を当てている。


 おれも試しに手を突き出してみると、途中で何かに当たった。

 本当に見えない壁があるようだ。


「本当に壁があるな。フェミリア、よく気が付いたな」


「んふ。風の流れがおかしかったから気付いた。フェミリア偉い」


 フェミリアは嬉しそうに胸を張っている。


「わ、私だって転移魔法陣の場所をアル様に教えましたもの! 私の方が偉いですわ!」


 それがなにやら気に食わなかったのか、エリーはフェミリアに張り合っている。


 フェミリアと並んで胸を張るエリーだが、フェミリアと比べて一部が残念な結果になっている。


「山と岡だな」


 それを見たユースケが何やら評論家気取りで言っている。


 あーあ。

 ダメだろ女性にそんな事言っちゃ。


「な! どこをみてらっしゃるの! この変態!!」


 エリーの平手が炸裂した。

 あれは痛そうだ。


「いってぇーーー!! 何すんだよ!?」


「女性の体をまじまじと見つめるのがいけないのですわ」


「ユースケ、えっち」


 女性人二人から責められている。

 あれに関わっては不味そうだ。


 おれは少し離れた場所で考え事に耽る振りをした。


 ユースケよ、お前を助けてやれそうにはない。

 すまない。

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