鑑定
エリーが加入したおれ達のパーティは、ひとまずギルドへ素材の売却へ行く事になった。
「エリーは何か売却する素材はあるのか?」
「今日は何もありませんわ。まったく、四階層も五階層も碌な稼ぎにはなりませんわ」
確かに四階層はほとんど魔物が出ないし、五階層はスケルトンだからなぁ。
稼ぎ的には旨味のない階層だ。
「そうか。おれ達も似たようなものだ。一応レッドゴブリンが売れるか聞いてみるだけだ。まぁ、大した金額にはならないだろうが」
そうこう言っているうちに、ギルドへ到着した。
はなから依頼受け付けは無視して、裏手に回る。
「オースさん!」
「おう! アル達じゃねーか! ん? 見ない顔がいるな。ナンパでもしたのか?」
「ハハ! そうだよアルがナンパしたんだ!」
「ユースケ、適当な事を言うな。オース、こちらはエリザベス、エリーだ。新たにおれ達のパーティに入る事になった」
「エリザベスですわ。どうぞよろしく」
さて、エリーの紹介も終わったところで本題に入ろう。
「オース、五階層を突破してきたのだが、レッドゴブリンの素材は売れるだろうか?」
「おぉ、おめでとさん。やっぱレッドゴブリンだったかぁ。そうだなぁ、角とか買取はしてるが、たいした金額にはならんな」
やはりそうか。
ならレッドゴブリンの死体は悪魔共にくれてやる事にしよう。
「そうか。なら売却はやめておくよ。ユースケもそれでいいか?」
一応ユースケに確認を取る。
報酬の一割を渡すって契約だからな。
エリーは加入したてで、今回の報酬は関係ないので確認は取らない。
「べつにいいよ。今更端金みたいなのには興味ねぇし」
言うじゃないか。
しこたま借金している癖に。
「というわけだ。すまないが今日は特に売却する物はない。ところで五階層で宝箱を見つけたのだが、オースは鑑定出来るか?」
「宝箱か。運がよかったな! すまねぇがおれは鑑定出来ねぇ。ギルドの依頼受け付けの端に、鑑定受付があるからそこに頼みな」
「そうか。ありがとう。さっそく出してみるよ」
ギルドの中に鑑定専門の受付があったのか。
おそらく、この街のギルド特有なのだろう。
オースに別れを告げ、鑑定専門の窓口へ赴く。
だが、誰もいない。
「すいませーん。ここやってないんですかー?」
こういう時ユースケは積極的で助かる。
ユースケの声が聞こえたのか、丸眼鏡を掛けた細い体型の男がやってきた。
「はい。お待たせしました。こちら鑑定受付となっております。鑑定する品はどちらでしょうか」
「これだ。五階層の宝箱から見つかった。魔道具だと思うのだが、効果を知りたい」
そう言っておれは、短剣を机の上に置いた。




