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宝箱から短剣を手に入れたおれ達は、転移魔法陣で地上へ帰還した。
「なぁ、エリー、レッドゴブリンの死体と宝箱から見つけた短剣なんだが……」
「もちろんそれはアル様達の物で構いませんわ。私は助けて貰った立場ですし、恥知らずにも権利を主張したりなんかしませんわ」
「そうか、ありがとう」
エリーも一応戦ったし、宝箱発見の時も一緒にいたからな。
分配が面倒にならなくてほっとした。
「それよりも、アル様はアイテムバッグを持っていらっしゃったのですね。流石ですわ」
「あぁ。まぁな」
エリーはおれにくっついたままだ。
そんな状態で褒めてくるのだから思わず照れてしまう。
「なぁ、アル。レッドゴブリンって売れるのか?」
「どうだろうな。まぁ普通のゴブリンでさえ角が売れるんだ。売れない事はないだろう。あんまり安いなら売るつもりはないがな」
その時は悪魔達の餌にしよう。
そういえば今日は休憩を取れなかったから、悪魔達に魔物の死体を与えられなかったな。
「そうだ、エリー。しつこいようだがやっぱり、おれ達のパーティに入らないか? 今日ので分かっただろ? ソロじゃいくら実力があっても危ない時がある」
もしエリー一人ではなく、前衛となる者がパーティにいたら違う結果になっていただろう。
そのくらいパーティとは大事なものなのだ。
特に後衛の魔術師にとっては。
「そう……ですわね……。ですが、私がいても迷惑になるだけなのでは? 今日みたいに何もできずに、報酬だけ貰うなんて私のプライドが許しませんわ」
「そんなことはない。あの魔術は凄かったし、ちゃんと前衛がいればエリーだって活躍できるだろう」
「ですけど……」
「ならユースケと同じく、おれに雇われるというのはどうだ?」
「雇われる……?」
「そうだ。おれはユースケに毎月給金を払う契約をして雇用している。月に大金貨一枚だ。それと、その日得た報酬の一割を渡している。」
「大金貨一枚!?」
「おう! アルは気前がいいからな! 儲かってるぜ!」
その分、おれはまだ赤字だがな。
まぁこの調子なら、すぐにでも黒字になりそうだが。
「大金貨一枚……それに報酬の一割……安定した生活が出来る……」
ごくりと唾を飲み込む音が聞こえた。
どうやら相当金に困っていたらしい。
今までどんな生活をしていたのだろうか?
心配だ。
「わ、私を、雇ってくださるというの?」
「あぁ」
「しかも大金貨一枚と報酬の一割で……」
「そうだ」
「し、仕方ありませんわね。今日助けられたお礼もしなければなりませんし、アル様に雇われてあげますわ!」
「そうか。ありがとう。これでおれ達は一緒だな」
「アル様と一緒……」
「あぁ。一緒のパーティだ。頑張っていこう」
「そ、そうですわね! 頑張りますわ私!」
こうしてエリーことエリザベスがパーティに加わった。




