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残虐

「グギャァァーー!!?」


 なすすべもなく、ただ悲鳴をあげながら焼かれていくレッドゴブリン。

 その様子を見て、ユースケとフェミリアを警戒して動けずにいた二匹のゴブリンは動揺したようだ。


「グギャッギャ!?」


「ギギーググギャ!!」


 何事かを話し合い、二匹纏めておれの方へ向かってくる。

 どうやらユースケ達よりおれ一人の方が危険と判断したらしい。


 いいだろう。

 二匹纏めて相手してやる。


(ウォーター)!」


 まずは左手で水属性の生活魔術を使う。

 そしてこの水を利用して……


ミーター(水よ)!!』


 古代語を唱えると、左手の先の魔法陣から垂れ流されていた水が、まるで意思を持ったように集まり、水球を形作っていく。


ガー(行け)!!』


 水球は突如勢いよくレッドゴブリンに向かっていき、一匹のゴブリンの顔を覆いつくした。


「グポッ!?」


 水に捕まったゴブリンの吐いた息が、気泡になって外へ抜けていく。

 手で水球をどけようと藻掻いているが、無駄だ。


 水は掴めない。

 手をすり抜けていくだけだ。


 水の魔法で一匹を対処しているうちに、もう一匹がすぐ傍までやってきていた。


 だが、おれは慌てない。

 ちゃんと目で追っていたからだ。


 こいつは剣で対処を……


雷撃(ライトニング)!」


 おれが剣を振ろうとした時、背後から稲妻が飛んできて、おれを襲撃しようとしたゴブリンに命中した。

 ゴブリンは一瞬光ったかと思うと、黒焦げになって倒れこんだ。


 なんだ?

 振り返るとエリーが杖を構えていた。


「どうやら要らぬお節介だったようですわね」


 エリーはおれが振ろうとして止めた剣を見て、そう言った。


 お節介か。

 確かに必要なかったが、なんとなく嬉しい。


 エリーはおれを助けようとしたのだ。

 先程まで窮地に陥り、泣いていたのに。


 その気持ちが嬉しい。


「いや、助かった。ありがとう」


 ただ守られるだけの女じゃないって事か。

 さっきの魔術は凄かったしな。


 さて、水に顔を覆われたゴブリンは窒息して倒れたようだし、残るは一匹のみか。


 おれは蹴り飛ばしたゴブリンに近づいていく。

 よほど蹴りが効いたのか、地面に蹲っている。


「お前は特に楽に殺す訳にはいかん」


 エリーを襲っていた奴だからな。

 苦しみながら死んでもらおう。


 近づいて、後ろから思いきり蹴り上げる。


「グギャッ!?」


 ゴブリンは一瞬浮き上がり、仰向けに倒れた。

 そこをおれは剣で右肩を貫き、地面に縫い付ける。


「グギャアア!!?」


 剣には炎が纏ったままだ。

 痛みだけでなく、熱さも襲ってくるだろう。


 だが、まだこんなものじゃない。

 おれはゴブリンの股間を足で踏みつぶした。


「グガギャガガッガアアアアーーー!!!?」


 ゴブリンの叫びが部屋に響き渡る。

 それを機に、ゴブリンは泡を吹いて意識を失ってしまった。


「この程度で……くそっ」


 まだまだこれからだと言うのに、この程度の責めで意識を失うとは……。

 仕方がない。ここで終わらせておこう。


 おれは再び足を振り上げ、思いきりゴブリンの顔面を踏みつぶした。


 グチャリ。

 そんな感触と共に、五階層の階層主は全滅した。

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