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翌日はよく晴れた日だった。
「よく似合うじゃないか」
緑色の礼服に身を包んだスグを見て、俺は素直にそう言った。もともと整った顔立ちをしているから様になっている。
「歩きにくいです……」
「そうだな。転ばない様にしろよ」
俺たちが礼服に着替えたのは、臨時で行われる除目に出るためだ。昨日王女の口から俺たちの任官を告げられていたが、今日は正式な儀式として任命を受けるのだ。
と、控え室に師匠のゴウが入ってきた。単山国での任務から帰ってきたのだ。
「おいおい、俺がいない間にことが二転三転したそうじゃないか」
ゴウは笑いながら言った。
「二転三転、なんてもんじゃなかったですよ。地獄を見ました」
「だが、最終的には、お前は少将様になったわけだ。とうとう追いつかれたな」
そう。ゴウの地位は少将。俺も少将にになったので、これで同列ということになる。しかも俺は近衛府でゴウは武衛府。同格だが、実際的には俺の方がより重要な地位に付いている。
「これからもう師匠とは呼ばないですね」
俺が言うとゴウは「こいつ」と拳をあげて殴るふりをした。
「しかし、このままだと本当にお前が大将になっちまうかもな」
「そうなるつもりです」
平民が殿上人になることなどできない。
赤眼が武人になることなどできない。
この王朝ではそれが当たり前のことだった。だが、俺とスグはその常識を覆して見せたのだ。
だから大将にだってなれるだろう。
「さて、じゃぁ行こうか」
スグにそう言うと、彼女は緊張した面持ちで頷いた。
そして俺たちは並んで歩き出し、王女が待つ広場へと向かって行くのだった。
(おわり)




