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俺とスグは医者の診察と治療を受けてから自宅へと運ばれた。
スグは内出血はあったが、大怪我はおっていなかった。
一方、俺の左手首は骨が折れてた。
武人たるもの、怪我は日常茶飯事だ。だから痛みはなんてことない。
だが、それ以上に怒りが治らなかった。そこらじゅうのものを斬り倒したい衝動に駆られる。
王子派の連中にとって俺が邪魔者なのはわかっていたが、まさかこうも露骨に潰しにかかってくるとは思いもしなかった。
宮中では決して珍しいことではないが、自分だけは例外なのではないかという都合のいい考えがあったのだ。
これからどうなるか。
王女様が助けてくださったからには、流石に一方的に処刑されたりはしない……と信じたいところだが、しかし確証はない。王族でさえ――時には王であっても――殺されてしまうことがあるのが宮中という場所だ。
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